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第78話 ページ31

三日月さんが一歩一歩、少しずつ私に近付いてくる

『あ、あの、三日月さん...』

「A...」

『だ、ダメです。私は別本丸の審神者ですよ!?』

「そうだな」

『わかっているなら、どうして!』

「確かにお主は審神者だ。だが、俺は1人のおなごとして見ている」

『三日月さん...』

「今だけで良い。刀剣男士ではなく1人の男として見てくれ」

急に男として見ろと言われても、三日月さんは刀剣男士だし
ましてや、自分の本丸の刀剣男士ではなく
別本丸の...いや、見習いの時にお世話になっていた審神者様の三日月宗近を男として見るだなんて、あってはならない

いくら昔は恋仲だったとしても
それは過去の話で今とは違う

もし、審神者様に知られたら...


「Aよ。今は何も考えず俺だけを見てくれ」

三日月さんの目は刀剣男士から感じるものではなく、1人の男だ

『...こんなことダメです』

「わかっている。だが、お主に会えるのも、これで最後になるやもしれん」

『三日月さん...』

「もう、お主を忘れたくない」

三日月さんは、私を強く抱き締めた

恋仲だっただろうか...
ダメだとわかっているのに拒めない自分がいる


「A。愛している」

『...っ!』

私の頬を優しく撫でると、そのまま三日月さんは私にキスをした

優しく触れるキスだった

『....』

「すまない」

『謝るぐらいなら、しないで下さい』

「不快な思いをさせたな」

『...嫌じゃなかったですから』

「...っ!Aよ。今一度、口付けしても良いか?」

『もう、聞かないで下さい...』


これは別れのキスなのだろう


もう後戻りは出来ない

これで、会うことはないだろう
それなら、この瞬間を大事にしたい


「んんっ...」

『はぁ...く、苦しい』

「すまない。止まらなくなってしまった」


キスを交わしている間、三日月さんからの愛を感じた気がした


「ありがとう」

『え?』

「俺を受け入れてくれたことだ」

『もう、これで最後ですから...』

「ならば、このまま今宵共に居てはくれぬか?」

『....』

「これ以上は何もしない。約束しよう」

『...わかりました』


もう、これで三日月さんとは会えない
いや、会ってはならないだろう

そう思うと

離れたくなかった...

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設定タグ:刀剣乱舞 , とうらぶ , 三日月宗近   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年9月22日 20時

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