第8話 ページ9
『どう、ですか...』
「お主は俺にどうしてほしい？申してみるといい」
どうしてほしいと言われてもな...
「A」
『...っ！』
「はっはっは。また顔が赤くなったな」
三日月さんって、計算高い！
『ひ、卑怯です！私が名前を呼ばれ慣れてないこと知ってるのに！』
「すまんすまん。少し意地悪をしすぎたな」
『....』
「今まで色んなものを見てきた。だが、俺もまだまだ知らぬことはある。だから、お主が教えてくれ」
『わ、私がですか？』
「うむ。お主は俺の知らないことを、たくさん知っている」
『審神者様の方が物知りだと思いますが...』
「俺はお主に教えほしい。いや、お主に興味があると言うべきか...」
『きょ、興味？』
「主は掴み所がなく俺達に本当の姿を見せない。だが、お主は素直で今まで来た見習いとは少し違うように思うてな。俺は近侍としてお主を知りたいと思っている」
真っ直ぐに私を見る目
その目に吸い込まれそうになる
近侍として...
つまり、どういう見習い審神者なのか見定めるということかもしれない
それなら...
『...分かりました。私で良いのなら』
「うむ。よろしく頼む」
何を教えれば良いかは分からないけど、何故か三日月さんの目を見ると断れなかった
『あの、早速なんですけど三日月さんに今すぐ教えたほうが良いことがあります』
「なんだ？」
『男女が一緒に寝ることはあまりよろしくないです』
「そうなのか？」
『恋人ならまだしも、それ以上ではないので...』
「そうなのか...だが、以前来た見習いは添い寝を喜んでいたぞ？」
『えっ...』
「それ以上を望んでいたものも居たな...」
そんな審神者が居ていいの！？
「さすがに、主に見つかりその審神者は降ろされたがな」
ブラック本丸があると噂では聞いていたが、こういう見習いが居るからそうなっていくのかもしれない
って！
『そんな大事なこと、さらりと見習いの私に言っていいものなんですか？』
「お主は信頼出来る。俺はそう思うたから話したまでだ」
信頼...
信じてくれて話してるんだ。見習い審神者として最後まで任務をしっかりしなくちゃ！
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2020年8月2日 1時
