第47話 ページ48
次の日、私と三日月さんは審神者様に呼ばれた
「駿河さんから聞いたわ。貴方達が付き合っているということ...どういうことか分かるわよね?」
『はい...』
「これだから見習い審神者は...」
今まで来た見習い審神者のことを思い返すと
私もその一員になる
呆れられても当然だ
『....』
「Aちゃん、貴女は今までこの本丸に来た見習い審神者の中で1番優秀だった。残念だわ」
『すみません』
「見習いとしての自覚が足りなかったわね」
何を言われても仕方ない
悪いのは私だ
「まさか、近侍だった三日月に手を出すだなんてね...」
『...っ!』
「待て、主。最初に手を出したのは俺だ」
「どちらにせよ、変わらないわ」
「主。俺はAに本気だ。主に何を言われようとも別れるつもりはない」
「見習い審神者の契約は1年よ。どちらにせよ貴方達には別れが来ることは理解しているの?」
そうだ
私は見習い審神者を卒業したら、自分の本丸を持ち新たな生活が始まる
三日月さんとは必ず別れが来る...
『...っ』
「...分かっておる。今この瞬間1つ1つを大事にしたいと思っている」
『三日月さん...』
「はぁ...呆れるわ。別れが来るのにどうして」
「全くだ...だが、もう遅い。惹かれてしまったものはどうにもならん」
「誰1人にもそんな感情を抱かなかった三日月がそんなこと言う時が来るなんてね」
「あぁ。今なら見習いの気持ちが少し分かる」
「そう...」
『あ、あの、私はどうなるんでしょうか?』
「処分すべき対象になるわね」
『処分...』
「主...」
「でも、運が良いことに政府は貴女を気に入っている。そう簡単にはいかない」
『えっ...』
「条件があるわ」
『じょ、条件ですか?』
「1つ目、駿河さんと交際をする」
『ま、待って下さい!私は__』
「審神者の命は絶対よ。解雇をしないだけ良いと思いなさい」
『...っ!』
「Aよ。主は俺達に別れろとは言っておらん」
『え?』
三日月さんと別れなくても良いの?
喜んだのも束の間だった
「2つ目、Aちゃんが此処を去る時、2人にあった出来事を全て記憶から消す」
記憶から消す?
『それって、どういう...』
「本来ならこういうことはあってはならない。だから無かったことにするの」
つまり、私は三日月さんのことを覚えていない状況になるの?
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年8月2日 1時