第45話 ページ46
本丸へ戻り私は部屋に籠った
体調が悪いと嘘をつき1人にして貰った
その嘘の噂はすぐに広まり、街から戻ったのであろう三日月さんがやってきた
「A、大丈夫か?」
『....』
「体調が悪いって聞いたぞ」
『....』
「A?」
『街に駿河さんと出掛けたんです』
「....」
『甘味所で三日月さんを見つけたんです。そしたら他の女性と居て...』
「...っ!」
『綺麗で色気もあって大人の女性って感じで...三日月さんとお似合いでした。私みたいな子供っぽい女より、大人の女性の方が三日月さんには良いんです』
「何故そう決める?」
『三日月さんは綺麗だし、それ相応な女性と付き合うべき__』
「誰が決めた?」
『え?』
「付き合う相手は自分で決める。そういうものだろう」
『....』
「Aよ、お主には十分に魅力がある」
『魅力?』
「でなければ、俺が惹かれぬわけなかろう」
『三日月さん...』
「今も可愛いと思ってる」
『えっ...』
「俺のことを思うているお主が愛しい」
『...っ!』
「あのおなごは甘味所の店員だ」
『店員?』
「俺はあの甘味所の常連でな、新作を薦められていただけだ」
『それだけのわりには、楽しそうにしてたじゃないですか...』
「あまりに美味い茶菓子だったからな。俺が茶菓子を好きなのはお主が1番知っているだろう」
『知ってますけど!...でも、私は嫌でした。三日月さんが他の女性と居るのも、優しく笑いかけてるのも...』
「妬いているのか?」
『...妬きました』
「...っ!」
『....』
「俺も妬いている」
『え?』
「あの男とでーとをしたのであろう?俺はまだお主とでーとをしていない」
『別に私は好きでデートをしたわけじゃありません!審神者様の命で!』
「だからとはいえ、でーとには変わらん」
『確かに一緒には出掛けました。でも手も繋いでないし指1本も触れさせてません!三日月さんじゃないと嫌だから...』
「Aよ。お主は俺を誘っているのか?」
『えっ!?』
「今宵の予定は無いのだろう?俺は無性にお主に触れたい」
『えっ!?』
「あまり、じじいを煽るな。俺も男だ」
『三日月さん...』
「A...」
「これはどういうことだ」
『す、駿河さん...』
「どうして近侍でもない三日月宗近が君の部屋に」
『み、三日月さんは心配してくれて!それで!』
「そういう雰囲気には見えない」
ど、どうしよう!
「そう見えるのも無理はない。俺とAは恋仲だからな」
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年8月2日 1時