第35話 ページ36
三日月さんが部屋に来てどれくらい経つだろう
なかなか話さない私を見かねてお茶を飲んでいる三日月さん
説明か...
何も考えてなかった...
「お主は俺よりも鶴丸が良いのか？」
『え？』
三日月さんが喋り出したかと思えば鶴さんのこと
『三日月さん？』
「主がそう言っていたからな」
それはどういう意味だろうか？
刀剣男士として？異性として？
ここでハッキリと鶴さんの名前をあげれば
三日月さんは近寄ってこないだろう
でも、鶴さんを利用したくない
「...答えないということは、そういうことか」
そうじゃない
だけど、言葉が上手く出ない
「すまない。邪魔をしたな」
待って
違うの
私が好きなのは...
『ま、待って下さい！』
「....」
『...行かないで』
「...俺はお主の傍から離れるつもりはない」
『え？』
「Aよ...俺は鶴丸よりお主のことを知っている自信がある」
『三日月さん？』
「何故だか分かるか？俺はお主を隣でずっと見てきたからだ」
『...っ！』
「だが、心に関しては俺にはまだ良く分からん。何故、俺を避けていた？」
『そ、それは...』
「....」
言ってはいけない
言ったら三日月さんを困らせてしまう
『....』
「言いたくないか...」
『すみません』
「ならば、俺の話を聞いてくれ」
『三日月さんの話？』
「お主が俺を近侍から外し鶴丸に変わったことについてだ」
『....』
「外される原因は俺にもある。お主を困らせていたからな。だが...今日、初めて知った感情がある」
『感情？』
「乱から教えて貰った。お主が鶴丸と楽しそうに笑っている所を見た時に抱いた感情だ。いつも俺に見せてくれていた笑顔を鶴丸に見せていた時に思った。お主の笑顔を俺だけに見せてほしいと...これを独占欲というらしい」
『...っ！』
「俺がこのような感情を抱くとはな...はっはっは。我ながら大人げない話だ」
『三日月さんが大人げないなら私も同じです』
「同じ？」
『三日月さんが審神者様に優しく笑いかけているのを見てモヤモヤしました』
「....」
『審神者様相手なのだから当然なのに...』
「お主のその感情も俺と同じ独占欲か？」
『お、恐らく...』
「そうか...同じか」
『....』
「今なら、独占出来るぞ？」
『な、何を言って＿＿』
「ちこうよれ...」
ダメだと分かっている
でも今だけ...
見習いだということを忘れさせて下さい
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2020年8月2日 1時
