第33話 ページ34
クリスマスパーティーの後、私は審神者様に近侍を変えてくれるように頼みにいった
「近侍を変えてほしい？」
『はい』
「また急ね。どうして？」
『それは、その...』
三日月さんを意識してしまうからだなんて言えない
『け、喧嘩をしまして...』
「喧嘩？」
『すみません...』
「まぁ、良いわ。Aちゃんも頑張ってるし、たまには誉をあげないとね」
『ありがとうございます』
「で、近侍にしてほしい刀剣男士は居たりする？」
『鶴丸さんをお願いします』
「鶴丸ね...分かったわ」
『ご迷惑おかけします』
「三日月には私から伝えておくわ」
『ありがとうございます』
これで良いんだ。これで...
翌朝、近侍になった鶴丸さんに挨拶に向かった
「おっ、来たか。今日からよろしく」
『こちらこそ、よろしくお願いします』
「三日月には言えたか？」
『いえ...審神者様にお願いしました』
「そうか...」
『と、とにかく！今日から近侍としてよろしくお願いします。鶴丸さん』
「その、鶴丸さんはやめないか？」
『え？』
「せっかく近侍になったんだ。親しい関係になりたいからな」
『じゃあ、なんと呼べば...』
「鶴丸でいいぜ」
『さすが呼び捨ては...鶴さん、でも良いですか？』
「あぁ。構わないぜ」
『鶴さんで...』
「じゃあ、俺も名前で呼ぶか」
『え？』
「よく考えてみたら、呼んだことなかったからな」
言われてみれば...
「よろしくな。A」
『なんだか少し恥ずかしいですね』
2人で話していると、三日月さんが歩いてきた
目が合ったものの、三日月さんは
何も言うことなく通り過ぎていった
『....』
「気にするな。また元に戻るさ」
怒るのも無理はない
自分の口から何も言わず、近侍を降ろしたのだから
悪いのは私だ
「俺がAの近侍を降りる？」
「えぇ。Aちゃんの希望でね」
「Aが...」
「喧嘩をしたと言っていたけど、そうなの？」
「喧嘩？」
「違うの？」
「....」
「まぁ、とにかく、そういうことだから」
「...わかった」
「そうそう。次の近侍は鶴丸になったわ」
「鶴丸か...」
「それも、Aちゃんの希望」
「....」
「Aちゃんは三日月が好みなのかと思ってたけど、違ったみたいね」
「....」
「三日月、久しぶりに私の近侍にならない？」
「....」
「三日月、聞いてる？」
「あぁ...すまない。最近、耳が遠くなってしまってな。して、どうした？」
「...何でもないわ」
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2020年8月2日 1時
