第32話 ページ33
悩みに悩んだ結果、私は燭台切さんと鶴丸さんに全てを話した
「なるほど...そんなことがあったんだね
」
「君が来てから驚きが多すぎるな」
『すみません...こんな話をして...』
「ううん。話してくれてありがとう」
「それにしても驚きだな」
『え？』
「三日月は今まで色んな女性に好かれてきたが、自ら行動することはなかった。君のことは特別なんだろう」
『特別？』
「これは、もしかすると...」
「鶴さん？」
「いや、何でもない」
『私は、どうしたら良いんでしょう...』
「うーん...そうだね...」
「君は三日月のこと、どう思ってるんだ？」
『三日月さんのこと...』
どう思っているのか
私は...
目を閉じれば三日月さんが浮かぶ
そして三日月さんに言われた言葉、行動を思い出す
こんなの、もう...
恋だ
自覚してはいけない
だけど、もう無理だ
『...好き』
「そうか...」
『こ、このことは＿＿！』
「分かっている。そもそも勘づいてはいた」
「そうだね」
『えっ...』
「君は分かりやすい。そして驚きなことに、三日月もな」
『三日月さんが？』
「君のことになると、すぐ顔に出る」
『そうでしょうか？』
「あぁ」
気にしたことなかったな...
「で、君はどうするつもりなんだ？」
『え？』
「想いを伝えるのか？」
『それをしたら、私は見習いを降ろされ審神者になれない可能性があります』
「まぁ、そうなるな」
『ここまで来たんです。あと4か月...無駄に出来ない』
「じゃあ...」
『三日月さんのことは諦めます。明日から近侍を変えて貰います』
「どうして！？」
『一緒に居ると楽しかった。だけど、今は辛いんです』
「Aちゃん...」
『自分勝手なのは分かってます。でも！これしか方法がないんです』
三日月さんと距離を置くしかない
本当は一緒に居たい
だけど、これ以上一緒に居たら...
「それが、Aちゃんの答えなんだね」
『はい。これが私に出来ることです』
「まぁ、また何かあったら相談にのるぜ」
「遠慮しなくていいよ」
『ありがとうございます』
「みっちゃーん！温かい飲み物まだか？」
「ごめん！今、持って行くね！」
「俺も手伝うぜ」
「ありがとう。貞ちゃん」
重大なことを忘れてた！
『私達も行きましょう』
「なぁ、俺を近侍にしてもいいぜ？」
『鶴丸さんを？』
「事情を知ってるやつの方が君も安心だろ？」
確かに...
『考えておきます』
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2020年8月2日 1時
