第27話 ページ28
「だ、大丈夫ですか？」
顔を少し赤らめながら心配をしてくれる一期さん
一期さんが顔が赤いのも無理はない
だって、周りから見れば私は一期さんを押し倒している形なのだから
一期さんとは関わることが少なかったけど
近くで見ると一期さんも顔が良い
まぁ、みんなそうなんだけど
「Aさん、一兄大丈夫！？」
「えぇ」
『な、なんとか...』
「何やら大きな音がしたが大丈夫か...って、これは驚きなことが起こっているな」
「こ、これは事故でして...あの、Aさん？」
『すみません。一期さん』
「気にしてませんよ。これは事故ですから。さぁ、これ以上誤解を招かないように」
『そうしたいのは、やまやまなのですが...足を捻ったみたいで』
「それは大変だな」
「手入れ部屋に湿布があるはずだ」
「じゃあ、行くか」
『えっ！？ちょっと！鶴丸さん！？』
足を捻って、上手く動かせない私を軽々と抱き抱える鶴丸さん
いわゆる、お姫様抱っこだ
『あ、あの！恥ずかしいので降ろして下さい！』
「これ以上痛い思いをしたくないなら、大人しくしておけ」
『うっ...』
「鶴丸さん、Aさんをよろしくお願いします。本来なら私が行くべきなのですが...」
「いや、気にするな。一期も今は色々と思うところがあるだろうからな」
「すみません...」
「よし、行くか！薬研、湿布の準備を頼む」
「あぁ。分かった」
足を捻っただけで大袈裟だな...
「にしても、一期のあんな顔が見れるとはな」
笑いながら手入れ部屋へ向かう鶴丸さん
『私の不注意で鶴丸さんに笑われる一期さんに同情します』
「それぐらい驚かせて貰ったんだ。今度は君を俺が驚かせる番だな」
『それは結構です』
「君も言うようになったな」
『お陰様で』
笑いながら手入れ部屋に向かっていると三日月さんが部屋から出てきて
タイミング悪く、お姫様抱っこしてるところを見られてしまった
さすがの三日月さんも驚いる様子だ
「随分と仲が良いな」
『こ、これには事情が...』
「...鶴丸。これはお主の考えるスキンシップというやつか？」
「いや、これはだな...」
三日月さん、口元は笑っているのに
目が笑ってない...
「これは色々あってだな...」
「ふむ...色々とは？」
『わ、私が説明します！』
三日月さんに説明すると納得したようで
「俺はお主の近侍だ。状態は把握しておく必要がある。俺もついていこう」
と言い、3人で薬研さんが待つ手入れ部屋に向かった
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2020年8月2日 1時
