第26話 ページ27
季節はあっという間に冬になった
冬に縁側でお茶を飲むのは、さすがに冷えることもあり三日月さんと部屋でお茶をしている
日課のように続いているが、特にこれといって盛り上がる話題もない
どうしたよう
私に面白味があれば...
「Aさーん！ちょっと良い？」
『乱ちゃん。どうしたんですか？』
「今、クリスマスツリーの飾り付けしてるの！一緒にやらない？」
『私で良いんですか？』
「うん！飾り付け、可愛くしたいから女の子の力が欲しくて！」
『あっ、でも...』
「僕、邪魔しちゃった？」
「構わんぞ。俺のことは気にせず行くと良い」
『すみません。じゃあ、行ってきます』
「早く早く！」
『う、うん！』
乱ちゃんに手を引かれ部屋を後にした
「Aもいつの間にか、人気者だな...」
藤四郎兄弟の部屋に行くと、大きなツリーが飾られていた
『お、大きい...』
「凄いでしょ！」
「悪いな。手伝いに来て貰って」
『いえ。全然』
「是非、貴女と一緒に飾り付けをしたいと弟達が...」
『私で役に立つなら喜んで』
「ありがとうございます」
既に飾られているが、飾りを付けすぎているせいか七夕のようだ
折り紙で作られたサンタや、トナカイ
可愛いが折り紙が目立ってしまうと、周りの飾りが映えない
だからといって、外してしまうのも勿体ない
『少し飾りを減らしてバランスよくしていきましょう』
「わかった！」
みんなで力を合わせてクリスマスツリーを完成させていく
こういう派手な行事はいつ振りだろう
『これは、ここにして〜』
「可愛い〜！やっぱりAさんに声かけて良かった！」
「そうだね」
『そんな...みんなが力を合わせた結果だよ』
「あとは、この星を上につけるだけです」
「その役目はAしゃんに任せるばい！」
『わ、私ですか？』
「毎年、1番頑張った者が星をつけるという決まり事がありまして...」
『私は、ただの補助ですし...』
「良いから良いから！」
背が低くて届かないし脚立を使うしかないか...
『よいしょ...っと！』
「クリスマスが楽しみだね！」
「主様、喜んでくれるでしょうか...」
みんなが力を合わせたものを台無しにしない様に
慎重に慎重に...
よし！これで大丈夫！
ズルッ！
『あぁっ！』
「Aさん！」
脚立から足を滑らし、私はそのまま落下してしまった
でも
あれ？痛くない？
「だ、大丈夫ですか？」
えっ...
どうして私は一期さんを下敷きにしているのだろうか
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2020年8月2日 1時
