第21話 ページ22
壁ドンをされているから、いつもより距離が近い
それだけで、ドキドキしてるのに...
顔が赤い私を見て不敵な笑みを見せる三日月さん
それすらも、ドキドキする
そもそも三日月さんは顔が良い
その顔が近くにある時点で勝ちだ
『あ、あの、三日月さん...もう、十分なので...』
「....」
この体制から動こうとしない三日月さん
『き、聞いてます?』
「お主があやつの行動、言動に顔を赤くしているのは面白くなかったな」
『三日月さん?』
「あやつの何処が良かったのだ?」
『ど、何処?』
この状況で急に聞かれても頭が回らない
『えっと...』
何処が良いか...
『み、魅力的なキャラクターでしたよ。一途で...』
「...お主は俺だけを見ていれば良い」
『へ?』
「良いな?」
『は、はい...』
思わず返事をしてしまったけど
それって、どういう意味なのだろう?
意味深な言葉を残して、三日月さんはいつもの笑みを見せ、部屋を出ていった
(何故、俺はあのようなことを言ったのだろうか...)
『はぁ...緊張した〜』
「Aちゃん、顔真っ赤だったよ」
『だって、あんな近くに顔があったら赤くもなりますよ』
「まぁ、確かにあの綺麗な顔が近くにあったらね...」
『そもそも!栞さんが変な提案するから!』
「でも、たまにはドキドキしてときめかないと!」
ときめきね...
「とりあえず、アプリをダウンロードして他のキャラクターも攻略してみなよ。シナリオ良かったでしょ?」
『確かにシナリオは良かったですけど...』
「でしょ!」
「栞。そろそろお暇しますよ」
「はい!じゃあ、また連絡するね」
『あっ、はい』
嵐のように栞さんが帰った後、私は仕方なく栞さんに言われた通り、アプリをダウンロードしてゲームを始めてみた
話を進めていくと、キャラクターが壁ドンをしている画像が出てきた
その画像を見ていると、さっきのことを思い出してしまう
これで恥ずかしがってたら、本人に会った時どうしたら良いんだろう...
『はぁ...』
「大きな溜め息だな」
『三日月さん!?』
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年8月2日 1時