第13話 ページ14
さっき、三日月さんに触れられたところが熱く感じる
「すまなかった」
『え？』
「嫌な思いをさせたな」
『い、嫌ではないですけど...ビックリしました...』
思い出すだけで顔が赤くなってしまう
「...愛らしいな」
『え？』
「顔を赤くしているお主が愛らしいと思うてな」
『な、何を言って＿＿！』
三日月さんの私を見る目が優しい
そんな目で見られたらドキドキしてしまう
三日月さんのことが好きだった見習いの気持ちが分かるかもしれない
って！何を考えてるの私！
私は審神者になる為に来てるんだ
そんな気持ちを知る為に来たわけじゃない
「お主は俺が茶を誘った時、どうして私なのかと言ったな」
『は、はい...』
「その理由はな、俺はお主...いや、Aのことが知りたいのだ」
『わ、私のことを？』
そういえば、前にも似たようなことを言ってたな...
とはいえ、三日月さんが私のことを知っても何も特はない話だ
三日月さんは、前の時もこうやって他の見習い審神者に接していたんだろう
交友を深めた結果、ああなってしまったのかもしれない
なら私は、三日月さんとの距離を気を付ければいい
「ダメか？」
でも、どうしてだろう
『ダメじゃないですけど...』
三日月さんを突き放せない
『でも、たいした話ありませんよ。平凡な日常を送ってきましたし...』
「平凡か。よきかなよきかな」
『平凡過ぎて驚きもないですし...』
「俺は鶴丸ではないからな。驚きは求めてはおらんぞ？」
何を話せばいいのか分からない！
「Aちゃん、三日月」
『さ、審神者様！』
「主ではないか。どうした？」
「たまたま通りかかったから、何の話してるのかなって思ってね」
『たいした話では...』
「現世でのAの話を聞いていた」
「...三日月、Aちゃんのこと名前で呼んでいるのね」
「ちゃんと許可は貰ったぞ」
「そう...清光から話は聞いてたけど、仲良さそうで良かったわ」
審神者様から見たら仲良く見えるのか...
「嫉妬しちゃうわ。同性なのに、私より三日月がAちゃんのことを知ってそうね」
「はっはっは。近侍だからな」
「Aちゃんも、私の知らない三日月のこと知っていきそうね。審神者として負けられないわ」
『そ、そんなこと...』
「私も一緒に良いかしら？Aちゃんの現世の話聞きたいわ」
気のせいだろうか
審神者様の目の奥が笑っていないように見えるのは...
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2020年8月2日 1時
