第10話 ページ11
鶴丸さんの言葉が気になる
三日月さんに気を付けてって、どういう意味なのだろうか
三日月さんはマイペースで、たまに変なことを言ってくるぐらいで気を付けないといけない様子は特にない
でも、三日月さんは近侍だ
私と一緒に居ることが、これから多くなるだろう
モヤモヤしたままでは良くない
「待たせたな」
『あの...』
「さっきの話だが...」
『どういうことなんでしょうか?』
「三日月はさ、マイペースだろ?今まで来た見習いは、そのマイペースさに振り回されていた。だが、三日月じたいは悪気がなくてな」
確かに三日月さんはマイペースだ
振り回されるというより、一緒に居ると自然と三日月さんと同じペースになっていくのだろう
「今まで、あいつに惹かれていく見習いがたくさん居た」
あの顔の良さ
しかも声もいい
惹かれないのも無理はない
「だが、三日月は好意を知りながら受け入れることはなかった」
『それは見習いだからですか?』
「さぁな。三日月の腹の底は誰にも分からん。受け入れなかったものの、三日月は態度を変えることはなかった。その優しさが見習いを苦しめ、そして見習いは三日月を求めてしまった」
もしかして
それって、三日月さんが言ってた話?
三日月さんは自分の話をしていたの?
「まぁ、三日月もさすがに拒んだらしいが、主にそのことが見つかりその見習いは降ろされ審神者になることはなかった。それ以来、三日月は見習いの近侍になることはなかった」
『でも、今は私の近侍に...』
「あぁ。今まで近侍にすることなかった主が何を考えているかは分からん。俺はキミが心配なんだ」
『鶴丸さん...』
「もう同じ思いをするやつは見たくない」
『私は審神者になる為に、この本丸に見習いとして来ました。恋なんてご法度です』
「...まぁ、何かあった時はいつでも相談にのるぜ」
『ありがとうございます』
ご法度というより、私には縁がないものだ
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年8月2日 1時