そぐったゴミのお飯事【ノーマン】

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Norman side


Aは悲しそうな顔をしてこう言った。


『死にたいとか言わないで。私はノーマンが死んだら凄い悲しい。

私のこと好きなら、わたしを悲しませないで』


ってね。

僕はそんなAに改めて惚れ直して、抱きしめ直して、わんわん泣いた。

一ヶ月。この期間で彼女に何ができるかな？


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Ray side


レイ「Aは自分が死ぬなら死ぬ前の期間何がしたい？」


一ヶ月間。Aが出荷されないようにする算段を立てつつも、

Aがもし出荷された時に、死なすつもりはないけど悔いなく死ねるように、と思っての質問だ。

俺のそんな質問にAは苦笑い


『何でそんな縁起でもないこと言うかなぁ。』

レイ「もしもの話だよ。もしも、の」


もしも、だと良いのになんて、Aの返答を聞く。


『本場の小籠包とシュウマイが食べたいかな。

あと、チゲ鍋とトッポギと日本各地の郷土料理とかも食べてみたいな。

ピザとかハンバーガーとかジャンクフードも食べたい。パエリアとカレーとブリトーも。

ぜーんぶ本場のを本場で食べてみたいな』


Aだったら、「ハウスのみんなで海行きたい」とか、

「皆んなで可愛い服見に行きたい」って言いそうなのに、意外に食べ物のことばっかり。

食に関して興味なさそうなくせに、ちゃっかり外国で有名な食べ物まで調べてやがる。


レイ「はあ…、もっと現実可能な夢を見ろ。しかも食べ物ばっかじゃねえか」

『えー、いいじゃん。美味しいものいっぱい食べて死にたいし…。

聞いてきたくせに辛口なことばっかり言わないでよー、レイ』


まあその夢は出荷までに叶えられないからなー…。


レイ「じゃあ他には？死ぬまでにしたいこと」


俺がそう聞くと、若干悩んでこう言う。


『本当のお母さんに会いたい』


Aの本当のお母さんが死んでる可能性もあるし、見つけようがないから、ほぼ不可能だ。


レイ「却下。」


俺の「却下」にAは少しムスッとした。


『却下って…。じゃあ、レイとエマとノーマンと、一緒にすっごい長い時間話してたい』

レイ「…は…？」


無意識だ。勝手に口から「は？」と出た。生涯が終了するのに、それで満足なのか？

唖然とする俺に、Aはまたムスッとする。


『は？とか言わないでよ。三人のこと、私すっごい好きだからさ』


俺も、エマ、ノーマン、お前が大好きだ。でも、


レイ「本当にそれでいいのか？」

『いいよ。』

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