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夢を見ていた。まるで人形のようなぎこちない動きで踊り狂う人間の夢を。


____________

Aside


「うわぁあ。髪の毛直さないとな。ボサボサだ」


起き上がったと思えば5時。何か夢を見ていたけど思い出せれない。

くしゃくしゃになった髪の毛を櫛でといて、結い上げた。顔も洗って、服を着る。

そうして準備は完了したので部屋のドアを開けて、

ギタラクルさんのところにでも行こうと思ったら、ドアの前に少年がいた。


「君。どうしたの?」

「俺はゴン!Aさんは女の人なのに凄い強いらしいから、何でかなーって思って、

どうして強いのか聞きにきたんだ!」


ゴン。従順そうな少年だ。私はそんなゴンと目線を合わせた。


「私は、強いんじゃないの。能力に恵まれただけなの。

だから聞いても良いことはないよ。ごめんね。」


身体能力は正直人並み以上はあるものの、ただそれだけ。

パンチ力や劇的な強さを持ち合わせているわけじゃないし、むしろ非力。

薬学への知識は深いけれど、それが強さに直結するとも思い難い。

だからゴンのトンガリした髪を撫でて謝ったんだけど…


「でも、能力も強さの一つでしょ?それに能力も才能の一つだと思うし、

やっぱりAさんは強いよ!」


と、言って去っていった。

そうしてゴンが去っていった後に、ギタラクルさんが通りの角から顔を覗かせた。


「や。何話してたんだい?」


ギタラクルさんは「や」と挨拶らしきものをしつつ、近づいてきた。

そんなギタラクルさんに私は複雑な気持ちで答えた。


「何でそんな強いんですかってさ。それで、別に強くなんてないって言ったら、

あの子「強いよ」って言ってくれてさ。すっごい良い子だね」

「…ふーん」


私は強くなんてないって、ハンターに選ばれたのも能力のおかげで、

能力も確かに才能だけど、その能力さえとってしまえば私は無力に等しい。


「私、マリオネットに全部助けられてるから、全然ダメダメなのに。

ああ言ってくれて凄い嬉しかったの」


そういう私にギタラクルは言い放った。


「…Aは強くない。一端の薬剤師ぐらいがちょうど良い身分だよ。

ハンターにだってなるべき器じゃない。俺は幼い頃からお前と一緒にいるんだ。

お前の事は全部わかる。お前がとるべき判断も、だ。」


どこか威圧感を含むその言葉に、私は後退った


「い、イルミ…?」

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豚バラ - 読んでみたらメッチャ面白い!読んでてワクワクします! (2019年12月13日 21時) (レス) id: 61753fbb81 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:卣秦 | 作成日時:2019年11月20日 0時

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