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*
Aside
私は兄弟を束縛するイルミがあんまり好きじゃない。
それに私の行動を制限することに関してもあんまり良くは思わない。
でも、イルミの威圧と殺気を前に首を横に触れるほど私は強くない。
良い人なんだとは思ってるし、良い人なのはわかってるけど、
それでも歪んだやり方のイルミにそのままのやり方ではいて欲しくない
という思いが少なからずある。
後もう一つ、イルミの歪んだ兄弟愛に加えられて縛られる私は、
イルミにとっていらないんだはないかと思う。
「殺し屋の友達は不必要だから」とイルミが言っていたのを聞いたことがあるし、
それを前提に考えてみると、私の存在もイルミにとっては不必要だ。
だから、心は複雑。
でも、そんな私の隣で彼はなんともないようにギタラクルさんの姿で笑う。
「A、髪の毛綺麗だね。その結び方ってなんて言うんだっけ?
あ、ごめん、A、声が出ないから答えられないんだった。」
私に髪の毛を手に取って撫でていたり
「今度、家においでよ、母さんが喜ぶよ。」
私を家に誘ったり、私の悩みの種は凄い能天気だった。
「さ、次の試験はここでやるそうだよ。」
「あ“ぃ」
広めの体育館みたいな場所で、既にそこに受験者は揃っていた。
私とギタラクルさんもその横に並んで加わると、
番号札を取り合う試験の時に仲良くなったヒソカが私に話しかけてきた。
「A、もう合格したんだって?」
その質問に頷くと隣にいるギタラクルさんも
「へぇ、Aそうなの?」
と聞いてきた。言うつもりだったんだけど、言うの忘れてたよギタラクルさんに。
「なんで言ってくれなかったの」
私はその質問に携帯電話で答えた。
「つ た え る つ も り だ っ た」と、
打ち込んでその画面をギタラクルに見せた。
すると、「そうだったんだ」と言い、彼は納得したらしい。
もし納得してくれなかったら…、なんて思うと怖かったけど、
そんなこと自ら想像することすら気が引けてしまう。
正直、喋れないと私は無力。
命令を口に出すことで操れるという発動条件が満たないと、
私の操り人形はいつまでも好き勝手に
自由に自分の思うままに操り糸に吊るされていない人形として踊るだけ。
イルミもそれがわかってて故意的に私の喉を潰したし、
ネテロさんが最も簡単に私の能力を封じる策があるという、
それを知ったらきっと私の「マリオネット」の能力に失望する。
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豚バラ - 読んでみたらメッチャ面白い!読んでてワクワクします! (2019年12月13日 21時) (レス) id: 61753fbb81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:卣秦 | 作成日時:2019年11月20日 0時