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Aside


エレベーターで到着した先は試験の待機場所と思わしいところで、

すでに沢山の参加者がそこで待っていた。

受付の係らしい人からもらった365番のプレートを胸のところにつけると、

目についたのはこちらを見つめる針を顔中に刺した長身の男、301番。

あれ絶対イルミだ。ぜっっったいイルミだ。


私は幼い頃からゾルディック家のキキョウさんとイルミとミルキと面識がある。

私の母はもう亡くなったけれど、生きていた頃は

一般的には毒とされるような摂取すると危ない薬品を扱う仕事をしていて、

それを有料でだけど、暗殺一家ゾルディック家へ薬品を提供していたため、親しかった。


だからたまに母とゾルディック家の奥様のキキョウさんが長話をしてるときには、

連れてこられていた長男のイルミと次男のミルキと遊んだりだとかをしていたら、仲良くなった。


田舎の薬品取扱い店なんて、

人が訪れることも少ないしゾルディック家のためにあるような薬品取扱い店であったけど、

母がいなくなってから薬品を取り扱える人材がいないため、止むを得ず店仕舞いして、

ゾルディック家との関わりもそれまでかと思っていたけれど、

ゾルディック家長男のイルミだけは用がなくても暇があれば私のところに来ていた。


「なんで来るの?仕事とかは?」と聞いたら。

「終わったよ。眠たいからベッド借りて寝ていい?なんなら一緒に寝ようよ」とか言う。

因みについ最近もそうやって意味もなくウチにきた。

もうイルミも24歳なのに、18歳の私に構うなんてよっぽど暇なんだろう。


そうして一方のミルキはおデブ街道まっしぐららしい。

まあ本人の自由だから文句は言わないけどさ。


それにしても、なんだあの針だらけの顔。なんであの顔で私のことじっと見てくるんだろ。

怖いなぁ。普段猫目で無表情なのに、今の顔だったらちょっと口角が上がってるし、

圧倒的な狂気的インパクトがあるね。うん、怖いなぁ。

無視するのが一番だなぁ、なんでくるりと反対方向を向くと、

ふとましやかなおじさんが立っていた。


「新人かい?俺はトンパって言うんだよ!試験ももう35回目の常連さ!

お近づきの印にジュースいっぱいどうだい?」


35回って34回落ちたってことか。

それにしてもジュースを私にくれるって、そんな自分のために取っておけばいいのに、

しかもわざわざジュースを持ってくるなんてね。


「(礼儀として)受け取っておきます」

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豚バラ - 読んでみたらメッチャ面白い!読んでてワクワクします! (2019年12月13日 21時) (レス) id: 61753fbb81 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:卣秦 | 作成日時:2019年11月20日 0時

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