離さない ページ32
こうしてゆるい傾斜にすわって
二人肩をならべて
話をするのは あの日以来だ。
変に緊張していたのかもしれない。
いざ隣にAが居ると思ったら
なかなか言葉が出なくて。
抱き合った温もりが消えることはなかったんだ
「セリおばさん。笑」
小さく笑うお前に
なんだか少し安心した
「誤解もいいとこだな。
ホームステイ先のお姉さんだったのに。笑」
ここぞと言うばかりに話しあった
お互いに誤解してたこと、連絡を閉ざした理由も、あんなに涙していた理由も..
何年も一緒にいた俺らでも
すれ違いは深くて。
でも何より嬉しいのは
二人で今笑いあえていること。
「私達バカだね」って
「どうしようもないね」って
隣で笑ってくれるだけで
長い年月の溝なんてものは
すぐに埋まった気がする
どれだけ見つめても
見つめ返してくれないから不満だけど。
恥ずかしがり屋なのはお互い様
ポケットから
俺が贈ったストラップを出して見せたら
君はこう言ったよね
"あ！私の大切な.."
そう言いかけて恥ずかしそうに
いつものように目をそらしたんだ
そして
か細い声で 「ごめん」と言って
また泣きそうになる。
ほっとけない奴。
分かってるよ、捨てたんじゃないって
分かってるよ、なくしただけだって。
だって今 確かに��大切な��って言ったんだ
夢を叶えた俺に
もう胸を張れる俺に
怖いものなんてなかった
幼馴染み
薄くて 高い壁
そんなものはもう必要ないから。
「今、俺がなに考えてるか分かる？」
「今日の夜御飯？」
すすり泣きながら
あまりにも本気で言うもんだから。
ほんと、ばかなやつ。
そんなお前を好きなおれもバカ
いまとなっては、全てが愛しいよ
「やっぱ、お前には敵わないね。笑」
手の甲でAの濡れた頬を拭う
つめたい頬。
両手で包めば
俺の顔をみて あったかい なんて笑うA
俺たち、思えば遠回りばかりしてきた
いつか。いつか。と願うばかりで
そのいつかになった時
結局また向き合えずに
ゴールばかり探していたんだ
もうこれからは、
今しか出来ない事をしていこう。
何年かして、振り返ったとき
またこの場所で笑いあいながら話せるように。
だってもうこれからは
２人揃ってここに来れるんだからね
「本当はAのこと考えてたよ^^」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 192人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まかろん(プロフ) - ﾇﾅさん» 少し変わったお話ですが！リクエストのお陰でストーリーの幅がひろがりました！ (2014年6月28日 2時) (
レス) id: 0522f7ff95 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - なつじんさん» ありがとうございます（＾＿＾）！グクのお話無事完結しました！ (2014年6月28日 2時) (レス) id: 0522f7ff95 (このIDを非表示/違反報告)
ﾇﾅ - ｼﾞﾐﾝちゃんのﾇﾅ嬉しいーー(*^^*)更新たのしみです♪ありがとうございます！ (2014年6月27日 8時) (レス) id: 94cddae186 (このIDを非表示/違反報告)
なつじん - ぐく ( ´Д` ) 泣きすぎて呼吸が ....。続き期待してます！ (2014年6月25日 8時) (レス) id: 75868ca315 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - アミさん» グクのお話、なんか思ったより切なくなってしまいました。鼻血 (2014年6月23日 23時) (レス) id: 0522f7ff95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まかろん | 作成日時：2014年6月11日 11時
