47話 ページ2
「……さん、Aさん。起きてくだせぇ、学校に遅刻しちまいやすぜ」
「うぅ〜〜ん……」
とある冬の朝。布団にもぐる私をゆさゆさと揺する誰かの声が聞こえる。
……いや待て。誰だこの声。確実に先生の声じゃない。けど、妖精の言葉でもない。いったい誰が……そう思って目を開けた私の眼前に、視界いっぱいの緑色と単眼が飛び込んできた。
「あっ、目ぇ覚めやしたね」
「……う、」
「うん？」
「うわあああぁーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ！！？？」
我ながら、よくもまぁ寝起きでこんな大声が出たものだ。ご近所中に響き渡りそうな絶叫を聞いて、ドタバタと慌てた足音が近づいてくる。
「A！？今の声なに！？どうしたの！」
「せっ、せせせ先生！起きたら目の前に見知らぬモフモフが！！」
ノックも忘れて部屋に飛び込んできた先生は、私の手元に居るモフモフを目に留めると、ぱちくりと目をしばたかせた。
「サムじゃないか。……えっサム？どうして！？」
「さむ？」
サムと呼ばれたモフモフは私の手からぴょこんと飛び降り、ベッドの上で先生に向かってぺこりとお辞儀をした。
「お控えなすって！手前生国と発しますはこのエデン。エデンと申しても広うござんすが、あっしの生まれはオリバーの旦那と、ゼミ生の皆々様方の頭ン中。そこらの妖精連中と違って�狆鐚磴留爿瓩寮犬泙譴犬礇△瓦兇鵑擦鵝�手前姓名を発しまするは、サム。妖精のサムでさァ。以後面体お見知りおきのうえ、向後万端よろしくお頼もうしやす」
つらつらと淀みなく発せられた口上に、私も先生も思わず「おぉ……」と感嘆の拍手を送る。その後聞いたところによれば、今までは先生の頭の中にだけに居た存在が、この度メンバーシップ開設でその姿が披露されて多くのゼミ生たちに認識され、ついには妖精として実体を得るに至ったのだとか。
「じゃあ、僕が妖精であるはずの君の姿を見ることができて、言葉もわかるのは……」
「オリバーの旦那があっしの生みの親だからでやんすね！�狆鐚磴留爿瓩陵点困犬磴海Δ呂い�やせん」
「�狆鐚磴留爿瓠帖弔辰董�
ノーグ地方での事件の折、�狃佞鮃陲欧觚翳��瓩�ら告げられた場所だ。そこに近づいてはいけない、と。一体そこは何なのかと尋ねようとした瞬間、焦げ臭い匂いが鼻をついた。
「……あっ！？トースト焼いてたの忘れてた！」
来た時と同じようにドタバタとキッチンへ向かう先生を見送って、結局�狆鐚磴留爿瓩砲弔い討呂Δ笋爐笋砲覆辰討靴泙辰拭�
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作者名：七福 | 作成日時：2023年3月12日 17時
