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出会い ページ3

フラフラと足取りは重い

家を飛び出してから何日たっただろうか

あの後私は、ひとまず都会に向かう為電車に乗ったはずだ。

初めて電車に乗って、今まで行ったことのない遠くへ行けることに胸躍らせたっけ

着いた場所は都会のど真ん中、大きな駅や凄く高い建物がいっぱいで目移りしながらふらふらと歩き回っていたらこのザマだ。

周りには洋服を着た異国人がカツカツと音を鳴らしながら街中を歩く

こんな都会に、一張羅とはいえ古臭い着物を着て歩いている私は凄く場違いな空気を感じ取る

洋服買おうかな…

でもお金無いし…

電車賃というのは意外にも高くつくもので家から持ち出したお金はすぐにすっからかんとなってしまった。

洋服より先に食べ物よね

それでも足りないけど

もう2日も食べ物はおろか飲み物すら口にしていない

もう、駄目…

何日も歩きっぱなしだった足の膝が悲鳴を上げ

大通りから離れた狭い道の端でばたんと座り込む

あぁこんな、家出なんてするんじゃなかった。

行く宛もないのにふらふらと都会に来るなんてしなければ良かった。

数日前の目を輝かせていた自分が嘘みたい

あの時家を出ていってなかったら…

あの男の人と結婚していたのだろうか

今頃どうなってるのかな

探してくれてたりするんだろうか

もし、そうだったら、が頭を駆け巡る

そうしてる内にぴちょんと水が頬に当たる

しばらくするとしとしとと雨が降り始めた。

「…惨め」

雨が私を嘲笑うように聞こえる

いや、実際に誰かが言っているのかもしれない

どうだっていい、とりあえず今私は眠たいの

「…?」

前を通りがかかる人たちが傘をさしていく中で一つ、真っ赤な傘をさした和服の男性がこちらを向く

綺麗な人…

男性だとは思うがとても中性的な見た目をしてる

和服がとても似合っている…と言ったら変かもしれないけど

洋服を着た人が多い中で和服の彼はとても珍しく思えたのだ。

赤い傘をさした男性は傘を私の方へ傾け、雨が当たらないようにしてくれた。

「大丈夫ですか?」

中性的な見た目から発せられる声はとても低く迷いなく彼が男性であると言う証になった。

「大丈夫です…」

息も絶え絶えに彼に心配かけさせまいと返事をする

彼の反応を見るより先にだんだん瞼が重くなっていく

視界がぼやけていく中で彼が何かを言っている姿が見える

そうして意識を手放す直前、目の前に見えたのは彼の和服だった。

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玉子焼き - お話すごく面白かったです!是非是非続きが読みたいです、図々しくてごめんなさい…!応援しています!! (2023年3月27日 13時) (レス) @page10 id: 13994af9f0 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - ゆーみやンさん» ありがとうございます!!すごく励みになります!ありがとうございます!!(二回目)頑張ります!! (2020年7月7日 3時) (レス) id: 3eb8184e19 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - お話大好きです!更新頑張ってください!応援しています( *´艸`) (2020年7月6日 20時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - 舞さん» あ、ありがとうございます!!凄く!凄い嬉しいです!!更新がんばります! (2019年2月17日 22時) (レス) id: 0b62a51054 (このIDを非表示/違反報告)
- 長々と失礼しました。これからも更新頑張ってください。応援しています! (2019年2月15日 20時) (レス) id: adac854220 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴音 | 作成日時:2018年9月7日 8時

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