十五の娘 ページ1
「A、少し話がある。後で私の部屋に来なさい」
それだけ言うと父は居間の襖を閉じる
「なんだろ」
食事の片付けをしながら疑問を口に出す。
同じく食事の片付けをする母を見やると
母は何か言いたげに、私を見つめる
「…もうそんな時期なのね」
「時期…？」
その言葉を理解する事は出来ず、食器類の片付けが終わってしまった。
後で、と言われたけれどいつ行けばいいのかな…
私の名前はA、この家の一人娘である
幼い頃から父は厳しく、同年代の子供の様に外で遊ぶ事は許されなかった。
母はとても優しく、私に家事や料理などを教えてくれる
決して裕福とは言えない我が家だけど
2人は私の事を大事に育ててくれた。
そんな両親が私は大好きだ。
大好き…だった。
「失礼します。」
言われた通り父の自室へ足を運ぶ
襖を開けるとそこには多くの巻物や本が乱雑に置かれていた。
その奥で父は正座をし、こちらを見つめてくる
「何か御用でしょうか」
「あぁ、そうだな、…Aお前、今年でいくつになる？」
「えっと、今14なので15ですね」
「そうか」
そう言ったっきり、父は口を閉ざす。
年齢が何かあるんだろうか
「実はお前に見合い話があってな」
ようやく開いた父の口から飛び出したのはあまりにも衝撃的な事で体が固まる
「見合い…？ですか？私が…？」
どうにか口を動かす。
お見合い、話には聞いた事がある
結婚相手を探す為に行うもの、だったはず。
私にそんな話が？
「先方はお前の事を大層お気に召したようで、すぐにでも嫁に迎えたいそうだ。」
「えっ？でもお見合い話なんですよね？」
「…見合いは形だけのものだ。既に相手側はお前を嫁に貰う準備を進めている」
「…えっ」
「すぐに跡継ぎが欲しいようでな。なに、この家と違って裕福な家の息子だ、今よりいい暮らしが待っているはずだよ。」
そう言ってわははと笑う父の声が耳に残ったまま部屋を後にする
「A…」
部屋の外で待っていたのか母が不安そうな表情で廊下に立っていた。
「っ…」
感情が溢れて何が何だか分からない
呆然と放心する私を母はめっくりと抱きしめた。
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玉子焼き - お話すごく面白かったです！是非是非続きが読みたいです、図々しくてごめんなさい…！応援しています！！ (2023年3月27日 13時) (
レス) @page10 id: 13994af9f0 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - ゆーみやンさん» ありがとうございます！！すごく励みになります！ありがとうございます！！(二回目)頑張ります！！ (2020年7月7日 3時) (レス) id: 3eb8184e19 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - お話大好きです！更新頑張ってください！応援しています( *´艸｀) (2020年7月6日 20時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - 舞さん» あ、ありがとうございます！！凄く！凄い嬉しいです！！更新がんばります！ (2019年2月17日 22時) (レス) id: 0b62a51054 (このIDを非表示/違反報告)
舞 - 長々と失礼しました。これからも更新頑張ってください。応援しています！ (2019年2月15日 20時) (レス) id: adac854220 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴音 | 作成日時：2018年9月7日 8時
