冬（短編集の短い話）本田菊 ページ14
冬の朝はどうも寒い
いつもならすぐ二度寝にとりかかるこの時間だが
今日の私は珍しく、身だしなみをこれでもかと言うほど整えて外にいた。
ふーと息を吐くとあたりが白くなる
遅刻しないためとは言え早く来すぎてしまったか
すっと視線をスマホに落とす。
-------本田さん-------
来週の土曜日空いてますか
少々お付き合いしてもらいたい場所があるんです。
----------------------
「Aさん？」
スマホの向こうに思いはせていた人の声が頭上から降ってくる
「本田さん！」
スマホの画面を暗くし、見上げた目に映る彼の表情は予想と違っていた。
「Aさん、いつから待ってたんですか」
待ち合わせの時計台を見上げると短針は八時を指そうとしている。
「ちょっと早すぎましたかね」
誤魔化すようにへっと笑う
「まさか私より先に来ているとは思いませんでしたよ」
そう言う本田さんも待ち合わせには早い時間だ
「九時って約束しましたよね？…あーもう頬がこんなに冷たい」
するりと頬を包み込む本田さんの手の温かさを感じながら心臓の鼓動が速くなる
「ほ、本田さ…」
先ほどまで冷たかった頬がとても熱い
「わっ、すみません。でも少し温かくなったでしょう？」
温かくどころか熱いぐらいです！と言いたくなったが
するりと手が離れていった頬が熱を失い、冷たくなっていく。
元の位置へと戻った本田さんの手をジッと見つめる
今日こそ、いや、今日なら、
「手を…」
？といった様子で本田さんが首をかしげる
「寒いので！手を、繋いでもいいですか」
そう言って手を差し出す。
本田さんはふわりと愛おしそうに笑うと
「寒いですもんね」
ぎゅっと私の手を握る
「さぁ、まずどこに行きましょうか」
ＥＮＤ
二人が寒くなくても手を繋ぐことが出来るようになるのはいつの日か
冬が過ぎ去った後の春かもしれない
短かったですがここまで読んでくださりありがとうございます。
また短いのあげる予定です。
無題(短編集の短い話)アーサー→←オメガバースパロ Ver.英
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鈴音(プロフ) - 棒人間Hさん» このシリーズにパスワードをかける予定は無いのでご安心ください 現在非公開になっているお話を別の場所に移動させてパスワード等の対策をしようと考えていただけなので… このシリーズを好きと言ってもらえてとても凄く嬉しいです！ありがとうございます！ (2018年9月4日 13時) (
レス) id: 7c5cb2cd44 (このIDを非表示/違反報告)
棒人間H - このシリーズが好きなので、パスかけたりしないで下さい！お願いします・・・ (2018年9月4日 11時) (レス) id: c5903a37e6 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - ゆーみやン＠JustinB好きさん» 応援ありがとうございます！頑張ります！！！ (2018年7月25日 2時) (レス) id: 7c5cb2cd44 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン＠JustinB好き(プロフ) - むっちゃ面白いです！これからも応援しています！(*≧∀≦*) (2018年7月25日 0時) (レス) id: cef1a7a657 (このIDを非表示/違反報告)
鈴音(プロフ) - 名前が空白です。さん» あわわ！応援ありがとうございます！その言葉でモチベーションが凄く上がります！なるべく早く次を書けるように頑張りますね！ (2018年6月30日 23時) (レス) id: 7c5cb2cd44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴音 | 作成日時：2018年2月7日 1時
