第35話 ページ36
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それから相変わらず美味しい料理に嫉妬して。
次の日からは家を見て物を買っての繰り返し
高級スイーツに中原さんの手料理。
可愛い化粧品やふかふかの寝台、おまけには1万ドルの夜景なんて見せてくれちゃったり
『____中原さん、猫、見に行きましょう』
「はぁ?何でまた猫なン…………はいはい。判ったッての、疲れてんのな、お疲れさん。待ってろ、直ぐ準備するから」
急な我儘で二人で猫を見に行ったり。
又ある日には芥川さんが様子を見に来て大混乱。
それでも中原さんは「しょうがねェなあ」と呆れ笑いを零しながら、毎日毎日車を走らせた
_____そんな本人、私はと云うと
『幸せの絶頂』
何時かの夢のマイホーム、バイト代で建てた一軒家_____とは見違える豪勢な家を前に、まるで夢でも見ているかの様に目を輝かせていた。
目の前には大きな大きな私のお家。
正に夢だ。もしかしてこれまでの出来事、全て夢だったりして____なんて
「そりゃあそうだろうな」
______と、後ろから飛ばされたのはため息混じりの何時もの声
振り返れば青い目が、私を眺めて直ぐに目を細めた
「……あんまニヤニヤすンな」
『はい?いいじゃないですかこんな時位』
黒い帽子は私の隣に立って家を眺めると、一瞬間を置いて、やれやれと頭を抱えた。
判り易く苦悩を表した動作。
実はあれから、職場で弄られる羽目になっているらしく
「一流デザイナーと設計した注文住宅、独身の女が住む城じゃねェぞ……」
『独身は関係ないでしょ』
自分だって独身な癖に
そう言って手を振りかざせば、まんまと掴まれる左手
「まあ、好きな奴は居るけどな」
“ その気になれば ”
わざとらしくニヤついて、その無駄に深い青色の瞳は暑苦しく私を見詰める
視線がうるさい。
うるさい心臓から徐々に体温が上がっ_____
「痛ッてェ!」
『家を買い終えたからって調子に乗らないでください』
中原さんが買ってくれたヒールの先で一寸先の爪先を踏んでやった
すれば、少し涙目に喚きをあげる中原さん。
_____見蕩れてやるものか。
大体、見蕩れたら負けで
判った事を繰り返すなんて
「ああそう言えばあン時の返事、まだ聞いてなかったよな」
『へ』
何か思い出した様にポツリと浮かぶ中原さんの声は非常に楽しそうで
「______A、」
判った事を繰り返すのは卑怯だって
「______責任、俺に取らせてくれンの?」
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レインボー文豪娘 - このぶっ飛んだ始まりと、「また家を吹っ飛ばしに行く」というセリフが素晴らしすぎました。最高でした。 (4月14日 22時) (レス) @page40 id: d65177cced (このIDを非表示/違反報告)
しおぽんら(プロフ) - テトさんと同じなのですが、プリ小説という小説サイトで活動していますか?設定もセリフも同じなので気になってコメントさせてもらいました。リンクはこちらですhttps://novel.prcm.jp/novel/U7KPVPevcPuDxlQlBkXn (9月2日 17時) (レス) @page1 id: 535c2b64b5 (このIDを非表示/違反報告)
テト(プロフ) - 初コメがこんなのですみません。あの…プリ小説という小説で活動していますか?なにやらプリ小説内で先程こちらと似たような作品を見つけまして…もしかしたらこの作品がパクられているかもしれないのでコメントさせてもらいました (8月30日 15時) (レス) @page1 id: e3b6735391 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫もふお - 神作品ありがとうございますっ!!! (8月18日 12時) (レス) @page18 id: 9c4f5ea239 (このIDを非表示/違反報告)
未栄 - 最高すぎて鼻血出るかと思いました (8月1日 13時) (レス) @page40 id: af42dbf40e (このIDを非表示/違反報告)
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