8話 ページ9
橙side
特にやることも無く、自転車を走らせていた。
平坦な道やし、そうそう疲れん
それにしても淳太くん下手すぎやろ。
｢はよー｣
黄｢照史っ早い…っ｣
必死に自転車漕いで息を切らしながら追いかけてくる
なんか犬みたいや
そんなに息切らすとこ？めちゃ普通にしとけば走れるで？
そういっても淳太くんは漕ぐの下手で何度もコケそうになる
｢まぁ疲れてきた淳太くんには今からいいもん見せたるわ、淳太くん転校してきたばっかなら知らないやろうし。｣
黄｢え、なに？｣
目の前に広がる坂道
人通りも無く、車が通る幅も無い。
そして、満開の桜
後ろから追っかけてきてた淳太くんは言った
｢うわっ…こんなとこあったんや…。綺麗やな｣
その坂道をゆっくり下ると、途中にある公園に入る
黄｢ちょ、一旦休憩｣
疲れ果てた淳太くんは屋根のあるベンチに座った
｢淳太くん疲れるの早いな、｣
そう話しながら俺も隣に座った
黄｢逆に照史運動出来んとか言っときながら動いとるやん｣
｢いや、今のとこすっごく平坦な道やったやん？｣
黄｢いーや、きつい。｣
それは淳太くんが下手なだけだよ、なんて言ったら殺される
｢まぁ影入って涼しくなったところでお花見なんかどうでしょうか？笑｣
そしたらぱっと明るくなる顔色
黄｢持ってきたん？｣
｢持ってきましたよ。お昼ご飯でも食べようかと。｣
小さい頃からあの家にあるお弁当箱におにぎりを詰めてきた。
｢美味しいかな？｣
黄｢照史が作るもんはなんでも美味いわ。｣
めちゃくちゃ地味ーに感謝されてるかな？
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作者名：ゆき星 | 作成日時：2019年4月9日 23時
