2話 ページ3
橙side
次の日、
昨日よりも人が少なくなった学校に登校する。
でも淳太くんは昨日と同じ場所で寝ていた
｢よっ、おはよう。｣
黄｢…あ、おはよ｣
学校来る意味なんて無いのによう来るわ。
先生が勉強教えてくれるわけでもなく、楽しむことなんて何もないのに。
｢なんで淳太くんは学校に来るん？｣
黄｢居場所がないから。少しでも友達がいたらいいなって｣
｢…そうなんや｣
居場所がないからという言葉に少し戸惑いも感じながら話し始めた。
｢なんか遊ぼうや｣
黄｢何して｣
｢外でも行こう｣
真っ青な春空が綺麗だから校庭にも出ようと思った。
でも職員室には先生が誰一人居なかったから、鍵を盗み屋上へ行くことに。
｢うっわぁぁー！気持ちぃー！｣
いつもと同じ。
心地いい風が屋上のドアを開けた瞬間に体を揺らす。
別に変わったことなんてない。
黄｢僕屋上初めてや…｣
｢気持ちいいやろ｣
鍵盗み常習犯の俺は別になんとも思わなかったけど、始めて来たらそうなるか
淳太くんは風を全身で受け止めるようなポーズ
｢何してんの、｣
黄｢風を体全体で感じてんねん｣
｢わけわからんわ｣
そのままカバンを枕にして横になった
｢気持ちいいで寝てみ｣
黄｢汚れるやん｣
｢そんなん気にしんと、｣
黄｢汚れるのだけは嫌やねん。｣
｢潔癖症かよ｣
黄｢そうだよ｣
仕方ないから俺の制服を下にひいてやる。
中にスウェット着てて感謝しろよ…
黄｢ありがと、｣
｢どーいたしまして。｣
そのまま腰を下ろして、なだれ込んだ淳太くん
｢ほら気持ちええやろ？｣
黄｢太陽を体全体で感じてる｣
｢だからどんなんやねん｣
淳太くんはそのままこっちを見てニコッと笑った
楽しそうやった。
そしてそっと呟いた
黄｢照史はさ地球滅亡するのいや？｣
｢え？……そりゃ嫌に｣
黄｢じゃあ僕と反対だね。｣
ん？どういうこと？
黄｢世界滅亡したら今まで辛かったことも全て忘れられる。辛い日々を送らなくて済むんだよ。｣
それを言っている淳太くんはさっきと打って変わって、切ない表情をしてた。
黄｢でも今は照史と喋るの楽しいし、終わって欲しくないな｣
そしてまたこっちを見てニコッとした。
淳太くんの生態は未だに掴めないや。
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作者名：ゆき星 | 作成日時：2019年4月9日 23時
