12話 ページ13
橙side
「はくしゅっん!…はぁ」
どうやら風邪をひいてしまったみたいで、淳太くんが俺の顔をのぞき込む
黄「大丈夫かぁ?辛そ…」
ぴとっと冷たい手を俺のおでこに当てると、
あちゃーって顔をした
黄「絶対高いで、あっついもん」
渡された体温計で測ってみる
「38・8」
そう呟くと血相を変えてこちら見た
黄「今日は寝とくんやで、僕が看病する」
あの不器用な淳太くんから看病って言葉が出ただけでも怖いねんけど、
大丈夫?家のもの壊さんといてよ?
寝とこうと思っても上手く寝れない
もう随分と多く寝たし、寝すぎで気持ち悪くなってしまった
お腹も空いたし、ご飯作ってもらおかな?
そっとドアを開け淳太くんを呼ぶ
なかなか気づかないな、
ドアから出てみてリビングに行ってみた
黄「照史っ!寝とかんと治らんやろ!なにしてんの!」
そうですよね…やっぱり怒りますよね…
「もう寝すぎで気持ち悪くなってん、な?お腹も空いたし起きよって…」
黄「…うん、じゃあ今から作るでソファ座っといて」
「ありがと」
淳太くんの言葉を素直に受け止めソファに座る
待ってる間もなんもなくて暇やから逆に困った
ふとテレビのリモコンが視界に入る
そう言えばあれからニュースなんて見たこと無かったな
今の世界どうなってるんやろ
気になりでニュースをつけてみた
『日本の人口の15分の1が他星移住に成功しました。』
それと同時に流れてくる動画
でも見苦しいもので
(私が先に乗る!)
(俺だ、どけ!)
なんてお互いに罵声、暴力を浴びせ自分が生き延びようとする
はたから見たらバカのことしてる人間や
俺らとは違う
黄「照史ー、なにみてはんの?」
「あっ、」
いつの間にかご飯は出来上がったようで、ダイニングに置いてくれていた
黄「冷めんうちに食べや、美味しいかどうかは保証できんけど」
「怖いわ、淳太くん不器用やねんから…」
ちょっと怖くなりながらもご飯を1口
あっ、食べれるわ、美味しいし
「いける、食べれる、美味しいわ」
この言葉を言ったら淳太くんは驚くほど喜んだ
黄「ほんまに?!やっと成功したんよ!1人でご飯作るん…」
高校生とは思えないボンボンの発言をした所で、俺は淳太くんに問いただす。
「なぁ、淳太くん。地球最後の日は何してたい?」
さっきのニュースが頭にまわる
ただ気になっただけ
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作者名:ゆき星 | 作成日時:2019年4月9日 23時