17、女王陛下 ページ21
私の苗字は
『アトランティカ』
正直、この苗字はあまり好きではない。
この期にこの苗字は捨ててしまおう。
どうせ人魚に戻ることはないのだから。
そう思い
【ケーニギン】
と書く。
なぜかこの名前にしなくてはと勝手に手が進んだ。
自分としても驚くほど慣れていてかなりビックリだ。
ふと、私が偽名を使ってることがばれるか?
と思ったが、世間に私の存在は公表されていないのだから問題ないだろう。
「ほほぅ!貴方、ケーニギンというのですね。分かりました。ケーニギン君。」
どうやらクロウリー先生は偽名を使ったこと気付いていないみたいだ。
先生が変な物の奥にある黄色い目を笑みの形に変える。
「貴方はユウ君の後に話をしますから、少し待っていてください。」
そう言って私の横にいるユウ君に目を向けるクロウリー先生。
「−さて、ユウさん。大変残念なことですが・・・・あなたにはこの学園から出て行ってもらわねば
なりません。魔法の力を持たない者をこの学園に入学させるわけにはいかない。」
先ほどの表情とは違い、いたって真剣な顔になる先生。
「心配は要りません。闇の鏡がすぐに故郷へ連れて帰ってくれるでしょう。さぁ、鏡の前へ。強く故
郷のことを念じて・・・・」
ユウ君のことを鏡の前までエスコートする先生。
私のこともきちんとはこの中に座らせてくれた。
見かけによらず紳士なのかもしれない。
「ほッ・・・・長い夢だった・・・。」
安心したように呟くユウ君。
どうやら彼にとってここは夢の中らしい。
「さぁ闇の鏡よ!この者をあるべき場所へ導き給え!」
クロウリー先生が私の時と同じように叫ぶ。
「・・・・・・・・」
鏡は相変わらず黙ったまま。
「ゴ、ゴホン・・・・もう一度。闇の鏡よ!この者を」
先生がもう一度叫ぼうとしたが途中で鏡の声によってさえぎられる。
鏡が発した言葉は私の予想をはるか超える言葉だった。
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クルル(プロフ) - 麗さん» ご報告ありがとうございます・・・!今後も見つけたら行って下さるとありがたいです。 (2021年1月29日 11時) (レス) id: 5254ebaae5 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 44ページ (人2) と変換出来てないところあります (2021年1月29日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - マーニャさんに褒めて頂けるなんて光栄です!更新遅いですがこれからもよろしくお願いします! (2020年7月26日 19時) (レス) id: 5254ebaae5 (このIDを非表示/違反報告)
マーニャ(プロフ) - コメント失礼します!すっごい素敵なお話で心が満たされています。こんな作品を作ってくださった作者様に感謝です!これからも頑張ってください! (2020年7月26日 7時) (レス) id: 797d2622a3 (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - こちらもよろしくお願いいたします。『陸に恋した人魚姫』(番外編)https://uranai.nosv.org/u.php/novel/1125kururu0/ (2020年4月29日 21時) (レス) id: c58f3a9ef4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クルル | 作成日時:2020年4月15日 18時