15、寮長 ページ19
[ザワザワ]
「アイツ誰だ?」
「女のくせに…」
「いったい何なんだよ!」
ホールが騒がしくなる。
其れを煩わしそうに見る寮長達。
今や彼女はユウとは別の意味で目立っていた。
「静かに!ここは祭典の場だ。あまり煩くしていると首を刎ねてしまうよ?」
とうとうしびれを切らしたリドル・ローズハートが声を上げれば騒がしかったホールも一気に静かに
なる。
「ゴホン!とにかく寮長の言葉に従い速やかに寮に戻ってください!解散!」
そんなピリピリした空気を吹き飛ばすように学園長が叫ぶと寮長達は各々自己紹介をし、鏡を通って各寮に戻っていく。
「おい、サバナクロー生。付いてこい。」
サバナクロー寮の寮長であるレオナ・キングスカラーがめんどくさそうに声をかける。
彼はチラリと彼女を見て少し考えるように顔を歪ませながら鏡を通って行った。
それに続きポムフィオーレ寮寮長のヴィル・シェーンハイトも寮生に声をかける。
「私はポムフィオーレ寮寮長のヴィル・シェーンハイトよ。ポムフィオーレ寮寮生付いてきなさい。」
そう言って彼女にそっと近づき声をかける。
「・・・貴方、ローザというのね。美しくなりたいなら私の所に来なさい。少しなら協力するわ。」
優しくそう囁き、ウィンクしながら鏡の中に入っていくヴィル・シェーンハイト。
彼女はその背中をどこか尊敬するように見ていた。
その時ひと際大きな人当たりのよさそうな声が響いた。
「オクタヴィネル寮寮長のアズール・アーシェングロットと申します。これから皆様の学園生活を精一杯サポートさせて頂きます。ではご案内いたしますので、こちらへどうぞ・・・・お客様」
わざわざ丁寧にお辞儀をし微笑みながら言う。
最後にが歪な形に口角を上げ呟いた『お客様』という言葉の意味を新入生達が知るのはもう少し後になりそうだ。
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クルル(プロフ) - 麗さん» ご報告ありがとうございます・・・!今後も見つけたら行って下さるとありがたいです。 (2021年1月29日 11時) (レス) id: 5254ebaae5 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 44ページ (人2) と変換出来てないところあります (2021年1月29日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - マーニャさんに褒めて頂けるなんて光栄です!更新遅いですがこれからもよろしくお願いします! (2020年7月26日 19時) (レス) id: 5254ebaae5 (このIDを非表示/違反報告)
マーニャ(プロフ) - コメント失礼します!すっごい素敵なお話で心が満たされています。こんな作品を作ってくださった作者様に感謝です!これからも頑張ってください! (2020年7月26日 7時) (レス) id: 797d2622a3 (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - こちらもよろしくお願いいたします。『陸に恋した人魚姫』(番外編)https://uranai.nosv.org/u.php/novel/1125kururu0/ (2020年4月29日 21時) (レス) id: c58f3a9ef4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クルル | 作成日時:2020年4月15日 18時