12、集会 ページ16
彼の声を聞きつけホールの皆がこちらに注目する。
[ザワザワ]
「おいアイツ女だよな？」
「声出ねーのかよ。」
「うわ喋れないとかヤバくね？」
頷けば
「何と引き換えた？」
と赤い目を光らせながら聞いてくる。
「まさかおぬし、け」
彼の唇に手を当て黙らせる。
「っ！」
それ以上言ったら力づくで黙らせるという意味も込めて
そう。
この契約にはもう一つ条件があった。
この契約内容を教えられてはられてはならないという条件が。
自分で気づく分にはいいのだ。
ダメなのは誰かに教えてもらうこと。
それでもなお冷や汗を流しながら聞こうとする彼に、いら立ちが募っていく。
その時
「二人とも！やめなさい！周りの皆が怯えているでしょう！」
と学園長が叫ぶ。
すると彼の眼の光が弱くなっていく。
それと同時に周りの緊張がほぐれていくのがわかった。
「急に訊ねてしまってすまなかったのう。」
申し訳なさそうに彼が私に頭を下げる。
慌てて頭を上げてもらおうとしたが、私は忘れていた。
まだ上手く立てないことを。
[フラリ]
「おっと、大丈夫か？わしはディアソムニア寮副寮長のリリアじゃ。先ほどはすまなかったのう。こ
れからはよろしくじゃ。さ、ディアソムニア寮の一年はこっちっじゃよ。では、失礼するぞ。」
そう言って鏡の中に入っていったリリアさん。
その時またクロウリー先生が叫ぶ。
「ところで、あなた、誰です？ここは男子校ですよ。なぜ女性がいるんですか！」
めんどくさそうに答えたのは変な耳の人だった。
「あ？センセー気付いてなかったのか？一つだけ空いてない棺があっただろうが。そこから出てきた
んだよ。」
それに続き
「そうですよ。クロウリー先生。彼女は先生が入ってきたときには起きていました。」
リドルさんが補足してくれた。
「そ、そうでしたか？ゴホン！まったく、今年は有り得ないのオンパレードです！・・・・もし
や・・・様との集会の件に関係が・・・いや、それなら・・・様たちから連絡が・・・一体な
ぜ・・・」
ブツブツと呟き始めたクロウリー先生。
普通なら聴き取れないだろうが生憎私は耳が良い。
そのため断片的だが聴き取ることができた。
集会とは何なのだろう？
誰と集まるのだろうか？
遠い昔、誰かが集会について話していたような・・・・
この出来事は私に小骨一つ分ほどの引っ掛かりを覚えさせた。
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クルル(プロフ) - 麗さん» ご報告ありがとうございます・・・！今後も見つけたら行って下さるとありがたいです。 (2021年1月29日 11時) (
レス) id: 5254ebaae5 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 44ページ (人2) と変換出来てないところあります (2021年1月29日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - マーニャさんに褒めて頂けるなんて光栄です！更新遅いですがこれからもよろしくお願いします！ (2020年7月26日 19時) (レス) id: 5254ebaae5 (このIDを非表示/違反報告)
マーニャ(プロフ) - コメント失礼します！すっごい素敵なお話で心が満たされています。こんな作品を作ってくださった作者様に感謝です！これからも頑張ってください！ (2020年7月26日 7時) (レス) id: 797d2622a3 (このIDを非表示/違反報告)
クルル(プロフ) - こちらもよろしくお願いいたします。『陸に恋した人魚姫』（番外編）https://uranai.nosv.org/u.php/novel/1125kururu0/ (2020年4月29日 21時) (レス) id: c58f3a9ef4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クルル | 作成日時：2020年4月15日 18時
