性格の悪い技と性格の悪い人 ページ8
｢あす、て、…ろいど…！｣
｢おいおいもも、そんなんバレバレやぞ。ぎこちなさすぎるし。｣
｢うっさいな！頑張ったのに…！｣
｢なんや、あす、て…ろいど、って。可愛子ぶってるやろ。｣
仮想空間の端で腰かける水上先輩はそう言いながら、がはがはと笑っていた。……汚い笑い方だな。
今日は水上先輩の嘘つき攻撃を習いに来た。
｢んでも疑問やな。射手は本職じゃないのにこんなに極めてどーするん。それにこんなセコい技、ほんとにええんか？俺が言うのもなんやけど。｣
｢……先輩、俺がセコい技教えて下さいって言ったらチョップしてきた癖に。｣
｢そりゃ他人に言われるのと自分で言うのはちゃうやろ。それにこんなクソ生意気な後輩。｣
｢ちょっと〜俺可愛いって言われるんすけど、顔。｣
ニッコリ笑った自分の顔を指さして水上先輩にそう言えば、｢ほんまムカつくわぁ｣って言われた。
｢んで？なんでなん。答えろや。｣
長い脚を組んで再度俺にそう尋ねる水上先輩。
なんかジャ〇アンみを感じる。
｢………いや、前に二宮さんにランク戦でボコられて。それを見てた加古さんが色々と俺に精神攻撃を……。その後隊でも色々と言われて。うちの戦闘員は野生児と感覚派で実力あるのは事実だし、なんも言い返せなかったんすよ。｣
｢そりゃ日頃の行いやな。それにしてもお前の隊長、美人やけどそんな怖いんか。｣
｢美人じゃな、……いや、一般的に言えば美人か。俺には及ばないけど。初めて会った時からあの人は怖いですよ。俺の反応見て楽しんでやがる。｣
｢ほーん。｣
｢あ、先輩も面白がってるだろ。｣
｢いや、女子達に弄ばれてるももを想像したら……。｣
｢それを面白がってるって言うんです。……兎に角、俺は技の数を増やさないと。万能手なんでね。｣
｢万能手そういう意味ちゃうやろ。……ま、ええか。時間あるし。ほれ、もういっぺんやってみ。｣
そう言われて通常弾と言いながら炸裂弾を出した。
が、上手く撃てなくて俺と水上先輩に無事被弾。
俺のオリオン量が仇となり、2人仲良く仮想空間から緊急脱出した。
｢おいこらもも！お前巻き込むなら自分だけにしろや！！｣
ははは、笑えねー。
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作者名：ゆっけ | 作成日時：2022年11月10日 19時
