外ズラが良いだけのクズ ページ2
家に居ても兄達が寝てたり、大学のレポートやったりで退屈だから特に家族の用事がない日は基本的に基地の隊室にいる。
今日もいつもと変わらず隊室のソファでゴロゴロしていた。
「ちょっと李香さん。”それ”、やめてって言ったじゃん。」
寝たままスマホを弄っているとソファの脇に立った双葉がそう言った。
”それ”というのは、俺がソファ丸々1つを占領している事を指すのだろう。
もう1つは真衣と杏が座っているから、こっちに座りに来たのか。俺の身体を邪魔と言いながら押している双葉は生意気だが歳が離れている為可愛らしく見える。
……まぁ、退いてやんないけどね☆
「ちょっと、座りたい。」
「やーだね、地べたにでも座ってろ。べーっだ。」
「ももくんは酷い事を言う。なんでモテるんだろう。」
「まぁ外ズラはいいですもんね、李香さん。」
「ズルいなぁ。……双葉ちゃん、こっち詰めるからここに来るといいよ。」
「だってよ双葉。ほら、行った行った。」
しっしっ、と手で追い払うようにすればムスッとした顔で反対側に移動する双葉。
そして吐き捨てるように、
「相変わらず最低。」
と俺に向かって捨て台詞を言った。
「どーとでも言えー。」
まぁ勿論、鉄の心を持つ俺には全く響かない。
「あ、そう言えばおやつの時間に加古さんが新作チャーハン持ってくるって。」
え?
加古さんの新作チャーハン?
「は?!聞いてねぇよ早く言えよ真衣!」
「忘れてたんだよ。別にいいでしょ。」
「良くねぇわ!つかおやつにチャーハンってなんだよ相変わらずあの人可笑しいんじゃねぇの。」
「まぁまぁ、楽しみに待ってましょうよ李香さん。ね、双葉ちゃんも楽しみだよね。」
「そうですね。」
いや、無理無理無理無理。
嫌な予感しかしないもん。
俺加古さんのチャーハン食って生き残れた時無いし。
「こんの、胃袋ブラックホースが!!」
「それを言うならブラックホールだよ、ももくん。」
そんな指摘はどうでもよく、俺は一目散に隊室を出いった。
___
「やったー、これでソファ占領マンは出ていったね。」
「騙したのは申し訳ないけどね…。」
「ありがとうございます。真衣さん、杏さん。」
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作者名:ゆっけ | 作成日時:2022年11月10日 19時