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彼女はいつも、探している。
何を？
彼女の記憶を。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「ふぁ〜あ」
授業はつまんない。
やっぱりつまんない。
まず殺せねーしｗ
でも、全てがつまんない訳ではない。
『カルマ君…真面目に授業受けなよ』
「だってつまんないし〜」
『頭がいい人はいいですね〜余裕そーで〜』
「まーね」
『褒めたつもりじゃねぇし』
「俺にとっては褒め言葉」
『……馬鹿？』
「Aより断然良い」
『うるせぇ』
【好きな人がいるから。】
そう言えば済む話だけど、そんな並大抵の「好き」では表せない感情を抱いている俺。
相手は、
「こらそこ！授業中に後ろで仲良さげに喋るのやめなさい！せんせーいじけますよ！」
「「あんたがいじけんのかよ」」
「だって俺ら仲いいもん。ね、A？」
『私に振らないでよ…確かに良いけれども』
俺の左隣の席の彼女＿＿赤石A。
外見 普通に可愛いし、明るくて元気だし、まあちょっと馬鹿っぽいけどいい子。
男子からの評価はもちろん良い訳で、月２〜３のペースで告られてたりする。
全部断ってるけど。あ、俺が←
Aは俺が最も気を許す女子の1人で、
っていうかAと奥田さん、中村ぐらいにしか気は許してないけど(中村も怪しい)
……まぁ、俺の好きな人。
で、その中村とか渚君とかは俺の気持ちに気づいてる。
当の本人が鈍感すぎて参るんだなー
……ってか中村が知ってるとか不覚にも程があるよね
*
授業が終わって。
いつものように、Aと話す。
『次、何だっけ？』
「家庭科。調理実習だって前喜んでたじゃんｗ」
『あ、そっか〜ｗ何作るんだっけー？』
「クッキーじゃなかった？」
『ベタだね』
「うんｗ」
『私って料理得意なのかなぁ、食べるのは好きだけど』
「さぁ…家で作ってないの？」
『ん〜…作ってるけど…最近からしか記憶ないしなぁー』
【記憶がない】
彼女が唯一抱える彼女の問題点。
何故記憶がないのか、本人を含め誰も知らない。
記憶がないのとＥ組に来た理由はクラス全員が知っているけど。
そんな彼女は、
いつも
自分の記憶を探している＿＿＿。
***
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作者名：キャラメルここあ。 x他1人 | 作成日時：2016年11月5日 20時
