Friggaに愛された雪姫

Noaと呪いの方舟 ページ8

白神side

私の頭を撫でる桃里くんの目には不安が映し出されていて。

分かってる。
本当は、分かってるんだ。

優しい彼をここまで不安にさせてしまっていることも

背負わせてしまっていることも




____その原因が、私だってことも。




最近目まぐるしいほどの人気を集めている、7人組のグループ。

“すとろべりーぷりんす”

そのメンバーである彼は、ただでさえ忙しいのに。
私のせいで、さらに迷惑をかけている。


すとぷりの白色担当“のあ”

性別非公開、公式のイラストでは男性として描かれている彼の秘密は、すとぷりのメンバー全員が知っている。

でも、私の持つ秘密は彼しか知らない。
他のメンバーは、知らない。


バレてはいけない。
知られては、いけない。


今が大事な時期で。
彼にとっても、私にとっても、“僕”にとっても。
彼らと歩める、前を向いて挑戦し続ける現在(いま)が最高に楽しいから。


その幸せを、壊すわけにはいかない。


のあの本当の正体がバレれば、すとぷりが大炎上することは確定だ。
だからこそ、公式の活動はするが、さとみくんやジェルくんのように動画投稿をしたりすることは滅多にない。
どこからバレるか分からないから。
なるべく情報は少なく、漏れないように。



でも。

私のこの“呪い”については、桃里くん以外に知られる訳にはいかない。


………本当は、桃里くんにも知られたくなかったのに


ぼぉっ、と桃里くんがお皿を洗ってくれている姿をソファーから見る。


頭の中のみんなが私を軽蔑した目で見る。
その視線が怖くて、逃げ出したくて。
ソファーの上で体育座りをした自分の身体をぎゅ、と抱きしめて目をつぶった。



___やめて



___そんな目で見ないで




そんなことをする人達じゃないと分かってるけど。
本当のことを知ったらみんな離れていくから。

この秘密だけは、バレる訳にはいかないの。



Noaと呪いの方舟

(信じたい)

(信じられない)

(嫌われたく、ない)

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