溢れた本音 ページ45
白神side
____のあ君の本音を、聞きたい。
なーくんの真っ直ぐな目は、全てを見通すように、射抜いてるように思う。
その視線に耐えられなくて、目を逸らした。
そんな目で見られたら、簡単に、壊れてしまう。
お前の覚悟はそんな簡単なものなのか、って言われそうだけど。
リーダーのその有無を言わさぬ視線には、逆らえない。
「………体力的な面も、そう。人の姿よりも、ユキの姿の方が最近楽なところも、ある。少しずつ、自分が変わっていく。今の自分じゃ、なくなっていく。そして最期には…のあは、消える」
「っ、」
「うん」
「居なくなる。すべて、なくなるんだ。その後の事で、みんなにはどうしても大きな迷惑をかけてしまう。忙しいのに、ごめん…でも、ならその迷惑を最小限に抑えたい。僕がいるうちに、処理をすまして、消えた方がいい」
「それは「そう、思ってた」……」
「………こんなの僕の、我儘だ。言っちゃいけないのは分かってる。でも、もし許されるなら………っ、」
「良いに決まってるだろ」
「のあ君のは我儘じゃないよ。教えて?のあ君は、本当はどうしたいの?」
「僕は、」
本当に、言っても良いの?
答えは、否だ。
迷惑にしかならない。その大きさは、予想もできない。
「こうなる可能性のことは、小さい時から分かってたはずなんだ。だったら、最初からすとぷりに入らなければ、みんなにこんな迷惑かけずに済んだのに。誘われた時に、初め断った時に、それを覆さなければ、今、こうして………!」
ぐ、と手を握りしめる。
爪が食い込んで、痛みがあるけど、それよりも、心が痛かった。
なーくんもさとみくんも黙って僕が話を続けるのを、待っている。
大きく息を吸い込んで、吐き出した。
「…みんなと、いたい。さとみくんとなーくんと、みんなと、もっともっと夢を見て、走り続けて行きたい…!かます未来をみていきたいっ…!」
振り絞った声は情けなく震えていたけれど。
「よく言ってくれたね」
「これからも7人でかまして、上を目指そうぜ」
優しく笑った2人は、頭を撫でてくれて。
その手が温かくて、切なかった。
溢れた本音
(桃と紫の優しい温もりに)
(____あと少しだけ、共に夢を見させて欲しい)
(____全て終わったら、僕はもう)
(新たな決意を胸にした)
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風雅(プロフ) - ゆあさん» 初めまして。コメントありがとうございます。少しずつですが、更新できるように頑張らせて頂きます。今後ともよろしくお願い致します! (2019年10月12日 9時) (レス) id: 4353acba07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます!!頑張ってください! (2019年10月11日 22時) (レス) id: ae1b37537f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風雅 | 作成日時:2019年10月2日 16時