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恐怖の行方 ページ31

さとみside


「…今聞いていいか分からないんやけど、まだ教えては貰えない?Aちゃんとユキちゃん、なにか関係してる?」


疑問系のようで確信を得たような言い方の七瀬さんに、メンバーのことをよく見ていて、頭の回転が早い彼のことだから、薄々察してはいるんだろう、という事が簡単に予想できる。


「七瀬さんには…なーくんには、隠し事はやっぱり難しいね」

「のあ君とさとみくん…大事な仲間のことだもん。気付けるようにしてるよ。何か出来ることがあるなら俺も力になりたいしね」

「もう十分助けて貰ってますけどね」

「そんなことない。現に無理させちゃったよね。コラボのことだって、おかしいと思ってたけど、リスナーさんが喜んでくれるなら、って了承したのは俺だし」

「最近、無理してるようには思ってた。けど、頑張ってるアイツに何も言えなかったのは俺の責任だから」

「さとみくんだけじゃない。俺の責任でもあるよ」


___1人で、2人で背負おうとしないで。みんないるから。分けていいんだから。


真っ直ぐな目で、でも優しさが溢れる目で。
暖かいその手で俺の手を包んでくれる。

その時初めて気付いた。俺の手が震えていたことに。


なーくんになら。

言っても、いいんじゃないか。

そんな思いが溢れてきて。

でも。

勝手に言ったら、Aの今までの全てを裏切ることになる。

それは、できない。


「…毎日怖いんすよ」

「…うん」

「いつか、いなくなるんじゃないかって。手の届かない、どこかに行ってしまう。それが、とてつもなく怖い」

「………」

「だから、」



少し開かれたドアの隙間から、申し訳なさそうな顔で、そっと覗くその姿に目を向ける。

気付かないと思ってたの?
気付くに決まってるじゃんか。


「おいで」


俺のその言葉に、俺の視線を辿った先の姿に七瀬さんが驚いたように目を見開く。

ゆっくりと俯きながらきたAに、俺の隣に座るよう促せば。
俺の手をぎゅ、と握りしめる。
その手に、ぽたん、と涙が落ちた。


恐怖の行方

(毎日居なくならないで、と願ってる)

(勝手に、いなくなったら許さないから)

(絶対に、手放してなるもんか)

優しすぎる温もり→←嫌な予感は当たるもので



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風雅(プロフ) - ゆあさん» 初めまして。コメントありがとうございます。少しずつですが、更新できるように頑張らせて頂きます。今後ともよろしくお願い致します! (2019年10月12日 9時) (レス) id: 4353acba07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます!!頑張ってください! (2019年10月11日 22時) (レス) id: ae1b37537f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:風雅 | 作成日時:2019年10月2日 16時

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