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光にみえた綻び ページ27

ななもり。side


Aちゃんからのお誘いと、仕事を手伝ってくれるというので、お言葉に甘えて家に行かせてもらった。

とりあえず明日までに先方に送らなければいけない書類を作成して、誤字脱字等の確認をAちゃんにしてもらう。

細かいことや、見逃しがちな箇所によく気付いてくれる彼女に、俺も気を付けるようにはしているけど、確認してもらうことが多い。


初めて2時間くらい。やっと終わって、先方に送って、はぁ、と思わずため息をついた。


「紫杜くんお疲れ様。今コーヒー淹れ直すから待ってね」

「あ、ごめんね。ありがとう」

「いえいえ、これくらいしかできないから」


俺のそんな姿にくすり、と笑って台所へ向かっていくAちゃん。


その背中を見送ると、この家の可愛い住人の姿が見えて。
立ち上がってその場所まで行けば、慣れたように近寄って来てくれるひなちゃんとモカちゃんに。


思わず溢れた笑みに、自分でも相当緩んでるんだろうな、と思わず苦笑いした。
そういえば、とキョロキョロ辺りを見渡す。でも、この前知った白い子猫の姿はなくて。


「そういえば、ユキちゃんおらんの?」

「….っえ!?紫杜くんユキの事知ってるの!?」


なんとなしに尋ねたら、予想以上のAちゃんの驚いた声に、俺も驚いた。


「ん?あぁ、この前お泊まりした時にさ、桃里くんと橙瑠くんとお話ししてる時に部屋に入って来てね、桃里君から聞いたんよね。真っ白で小さくてめっちゃ可愛かった!」


あの綺麗な碧が忘れられない。
飼ってること、もっと早く教えてくれても良かったのに。


「…お泊まりの時、って何時くらい?」


その時、初めて気付いた。
Aちゃんの声が震えていることに。

でも、何かあるのかな、程度にしか思ってなくて。

何時くらいだったっけ、と思い出すように顎に手を当てる。

あれは確か…


「んー…夜中の3時、くらいかなぁ?」


俺がそう答えた途端、台所から


がたん


という大きな音がして。


「Aちゃん!?」


と抱えていた2匹をゆっくりと降ろして、台所に向かって、覗き込めば。


床に倒れてガタガタと身体が震わしながら、両手で頭を抱え込んでいるAちゃんの姿があった。



光に見えた綻び

(優しくて完璧な彼女の持つ)

(隠された綻び)

警鐘が鳴る→←絶望的な一言



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風雅(プロフ) - ゆあさん» 初めまして。コメントありがとうございます。少しずつですが、更新できるように頑張らせて頂きます。今後ともよろしくお願い致します! (2019年10月12日 9時) (レス) id: 4353acba07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます!!頑張ってください! (2019年10月11日 22時) (レス) id: ae1b37537f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:風雅 | 作成日時:2019年10月2日 16時

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