橙と白のエンターテインメント ページ24
ジェルside
「ぅゎあ…」
ご機嫌に俺の動画編集を見るAに、俺も思わず笑みがこぼれる。
今日は体調は良さそうや。
彼女からコラボのお誘いがあって。
お互いの予定が合うのが今日やったから、家に呼んだ。
なにか、聞ければええけど。
難しいんやろね。
きっと彼女は、口を割らない。
「…そんなに見ないでよ」
頬を染めて目をそらすAに、編集の手を止めて見てしまってたことに気づいて。
「あ、ごめん…可愛かったから、つい」
なんて返せば、ジト目で俺を見る。
「可愛くないし…彼女さんに言ってあげなよ」
「やって彼女おらんもん。ええやん、可愛ええの事実やんか」
「橙瑠くん黙ってればモテるよね」
「うわ、どっかで聞いたような台詞やな！今日辛口すぎひん？傷付くわー」
「…嫌いじゃないけど」
珍しくどこかツンデレな姿に驚いて思わずまた見てまうと、ん？と首を傾げるA。
「今日ツンデレやな」
「いつも通りだよジェル君に対して」
「うわ、のあいつもそんなふうに思っとったん？」
「さぁ？」
ニヤリ、と笑みを浮かべる彼女は、正直可愛い。
思わずそれに吹き出せば、なんで笑うの！とパシパシと腕を叩かれる。全く痛くないんやけどな。
「で、コラボやったっけ？最近メンバーと録ってるらしいやん。急にどないしたん？」
「別に…“僕”のいつもの気まぐれ」
何か聞ければ、とした質問は、さらっと流される。
のあとのコラボは貴重やけど裏があるようにしか思えんで。考えたくないけど。
「遠井さんシリーズ出てみたいんだよね！出して出して！」
俺が納得しとらんと察したのか、雰囲気を変えるように明るく言う彼女に。
「………ええよ！んー、遠井さんを狙う完璧キャラ、とかどう？」
「うわ、プレッシャー…僕、遠井さんが好き。付き合ってくれる？」
「え、私？」
「あかんよのあ君！遠井さんは渡さへんで！それに胸ない女の子興味ないやろ！」
「おいジェル失礼だな」
声を出して笑うAに。
彼女を側で笑わせられるなら。
俺たちとずっと、上を目指してくれるなら。
それ以上は、望まない。
「なんかあったらすぐ言うてや」
少し硬めの、真面目なトーンで話しかければ。
返ってきたのは、困ったような笑顔と
「….ありがと」
優しすぎる声やった。
橙と白のエンターテインメント
(遠井さんのを狙う恋のライバルは)
(完璧なのに)
(好きなものに手段を選ばない)
(のあ、という人物だった)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
風雅(プロフ) - ゆあさん» 初めまして。コメントありがとうございます。少しずつですが、更新できるように頑張らせて頂きます。今後ともよろしくお願い致します！ (2019年10月12日 9時) (
レス) id: 4353acba07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！！頑張ってください！ (2019年10月11日 22時) (レス) id: ae1b37537f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：風雅 | 作成日時：2019年10月2日 16時
