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中盤に差し掛かったとき
「すいか切れたぞー」
三角に切れたすいかが乗ったおぼんを持った
慎太郎が俺のテーブルの前に座る
「お、おいしそーじゃん」
「……あれ？Aは？」
「お父さんとお母さんにお裾分けしてあげるんだって」
そう優しく笑う慎太郎を置いて、
奥の部屋へと向かう
「A」
薄暗い懐かしい匂いの漂う部屋の中で、
仏壇を前に正座をしている
小さな背中に呼び掛ける
もしかして泣いてるの？って思ったけど
振り返った君は俺を見て
『美味しそうなすいかでしょ？』
と得意気に笑うから
同じように隣に座って
その綺麗な黒髪を撫でる
『……っ距離近いよ』
「だめ？」
『暑いから、離れて』
そう言って顔は背けるのに、
俺から離れようとはしないんだね
「優しいね、Aは」
変わることのない2人の笑顔の前に置かれた、
君が慎太郎と冷やしてくれた２つの三角のすいか
先端から水滴がすーっと流れていく
「今年も頑張りますので、どうか見守っててください」
暑い、暑い夏に負けないように
君が、前を向いて、幸せだと笑えるように
何もない夏が過ぎていくように
手を合わせて力強くそう願って
「よし、俺たちも食べよ？」
『うんっ』
小さく頷いたAの手を引いて
長い廊下を歩いていくと
「ちょっ、みてみて！最長記録出たかもしんないっ」
そんな声のする縁側には抜け駆けの犯人がひとり
すいかの種を飛ばす慎太郎に呆れながらも、
隣で笑う君が消えないようにと、
小さな手にきゅっと力を込めた
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青 - 続けてのコメントですみません(>_<) 物語一気に読んじゃいました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2020年3月4日 16時) (
レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
青 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません...。 一つお聞きしたいことがあるのですが...。 この物語の題名の読み方ってなんなんでしょうか？ (2020年3月4日 16時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：椿 | 作成日時：2019年9月17日 7時
