男装少女は秘密主義 (ページ7)

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不調ページ7

貴方side

じんわりと痛む頬を押さえながらゆっくりと目を開ける。
部屋の電気が眩しくてうまく見えないが、
女の子が目の前に立っているのがわかった。

なれてきた目でじっくり見てみると、栗毛色の髪と瞳をもつまあるいおめめ女の子らしい

女の子は、僕を見るなり目をきらきらさせていた。

貴方「.....ん？」

蜜柑「天使がしゃべったぁぁ！！」

貴方「っ」びくっ

女の子が急に大声をあげるものだから、
体がはねあがる。
その後ものすごい勢いで自己紹介をされたけど
寝起きだったせいもあって全く覚えてない。

それと、あまりにも早口で喋るものだから正直聞き取れなかった。
困っていると、やっと岬が横から入ってきた。

岬「ちょっとまだ目が覚めきってないみたいだ...
そっとしておいてやろう....」

蜜柑「そうやなー！
うち全然気づかんかったわー！
言うてくれたらよかったのに！！」

女の子が苦手な岬が、珍しく間に入って女の子を落ち着かせてくれた。
ちょっとたじたじしながらだったけど....
岬優しいなー

それにしてもこの子...
元気な子だな
まだあまり働かない頭でぼーっとそう思っていたときに岬の携帯がなる。

岬「温室に侵入者！？
まずいすぐいかないと！」

岬は携帯を見ながら部屋を出ていこうとした。
まずい...この子と二人きりは嫌だ。
絶対質問攻めにされる

「待って」と立ち上がろうとするがよろけてしまう。
まだフェロモンが抜けてないらしい。

岬「...っとそうだな。
お前は連れていこうかな...？」

貴方「....」ｺｸｺｸ

僕の表情から岬にちゃんと意図は伝わったらしい、
岬をひょいっと歩けない僕を抱き上げてドアの方までいった。

蜜柑「えー！
せっかくうちの話し相手になってもらおう思てたのに
残念やなーばいばい天使ちゃん」

女の子に軽く笑いかけ部屋を出る。
よかったー無事あの部屋を脱出できた。

元気なときだったらよかったが本調子ではない今あのこと喋るのはきっときつい。

貴方「ありがとうね。岬」

岬「あぁ。感謝しろよ
しばらくは温室の手伝いしてもらうからな」

貴方「はぁーい」

あの部屋に女の子と棗を二人っきりにしたことに少し引け目を感じながらも
じぶんが逃れられたことに対する安堵にかられて
先のことはあまり考えていなかった。

だけど、この時にでも戻るべきだった。
まさか棗があんなことをするなんて...