男装少女は秘密主義 (ページ5)

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飼い猫ページ5

貴方side

ずっしりと重たい体
それは、鎧でもきているかのようだった。

出来ることなら今すぐ眠ってしまいたい。
しかし、早く帰らなければ、また怒らせてしまう。

貴方「早く帰らないと...」

僕のその言葉に対して男は、怪訝な顔をした。
そして、僕に言い聞かせるように
家に帰れないことを言われた。

両親もそれを望んでいると言うことも。

その時点で、僕の心はずたぼろだった。
また、捨てられてしまったのだ。
実の両親も、育ての両親も皆僕が嫌いなんだ。

貴方「....っ。僕捨てられちゃったんだ」ポロポロ

初校長「....あぁ泣かないで」

男は、慰めるように頭を撫でてくれた。
そして、こんなことを言い出した。

後から思い返せば、めちゃくちゃなこの言葉
当時の僕にはここで生きていく意味をくれる言葉だった。

初校長「君は、これから僕の物だ
僕は、君を捨てたりしない
君がいい子で居続ける限り君を可愛がってあげよう」

何を言ってるんだこの男は...
流石に一発目はビックリした。
変な男に捕まってしまったものだと

だけど、僕は、その言葉に頷いてしまったのだ。
あまりにも長い間孤独だったから、誰かに愛されたかった。

初校長「いい子だねAは」

僕の頭を優しく撫でる彼は、満足そうな笑みをうかべていた。
きっとこの人は、悪い人なんだ。
直感でそう思った。

しかし、彼は、本当に僕を大事にしてくれた。

悲しいときや体調が悪いときは、ずっとそばにいてくれたし
僕の長い長い話も嫌な顔一つせずに聞いてくれた。
いつも僕のほしい言葉をくれた。

だから、僕は、彼のことを信頼してたし
ちょっとうざいときもあるけど、彼のことが大好きだった。

『初等部校長の飼い猫』

いつしかそんな異名が僕についてまとった。
それについてどう思ったかって...？

____まぁ。正直どうでもよかった。
何でも好きに言うといいさ。

そんな感じだった。

現代

生徒１「飼い猫が調子に乗ってんじゃねぇぞ」

生徒２「しってるか。お前の飼い主は
お前が可愛いがばかりにお前の両親の手紙が届かないようにしてるんだぞ
1日に１回必ず来る手紙を全部燃やしているらしいぞ」

生徒１「脱走してみろよ
出来たらその手紙を横流しにしてやるよ」

そんなバカどもの話に乗って今僕は、学園を囲む大きな塀の前にいる。
友達の棗とルカも一緒だ。

貴方「せーので壁に穴開けるよ、せーの」

ドカーン...ｺﾄﾞﾝｶﾞﾀｶﾞﾀ