男装少女は秘密主義 (ページ37)

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秘密主義ページ37

うさみみをつけたルカは、僕の腕をぎゅっと掴んでいた。

ルカは、こんなこと言ったら嫌がるのだろうけど本当に似合っていた。
とはいっても両方向から引っ張られているのはさすがにきつい。
早く話を終わらせないと。

貴方「そうなんだよねー
先にルカとかと約束してたから..」

翼「えー。せっかくお前の衣装も作ったのに...」

そういって翼くんが取り出した衣装は、上半身の布面積が非常に狭い衣装だった。
いや、あれはさすがに無理だな。
そう僕は悟った。

今は男の子みたいな格好をしていても、
生物学上女の子で心だってばっちり女の子だったということを自覚した。

ルカ「..///おまえ！///
Aになんて服着させようとしてるんだ！
そんなの着させるわけないだろ////」

翼「おいおい。ルカぴょん
顔真っ赤だぜ！
お子ちゃまには刺激が強かったかー？」ﾆﾔｯ

ルカ「な！///おまえ...」

貴方「......」

ルカと翼くんが揉めてる間に僕はそっとその場を後にした。
きっとあの場にいたらルカが負けて、あの衣装を着ることになってしまう。

抜け出した僕が向かうのは、知り合いの少ない技術系の屋台
そこで他とは違う変わったお菓子を買うのは僕の毎年の楽しみであった。

食べても無くならないキャンディー
空が飛べるようになるクッキー

それにしても技術系は、活気に溢れている。
自分の趣味がそのままアリスだったりする子が多いから
キラキラしている子でいっぱいだ。

僕は、コピーのアリスでいわば何でも使える。
だけどその分、これといったアリスがないから
皆が羨ましいときもある。

所詮コピーだ。真似事にすぎないんだ。

人波から離れた木陰に座り込むと僕は、そのまま眠ってしまっていた。
どれくらい時間がたったのだろうか、誰かに揺さぶられ目を覚ます。

棗「おまえ..いきなりいなくなったと思ったら
こんなところにいたのかよ」

ルカ「すぐそうやってどっかいっちゃダメだよ」

貴方「わざわざ探してくれたの？」

棗,ルカ「...？当たり前だろ/じゃん？」

二人が僕に手を差し出してくれた。
僕は、その手をとって起き上がった。
二人が当たり前だと言ってやってくれるその何気ない行動

僕にはそれがとても特別なことのように思えて嬉しかった
今思えば捨てられてばかりのこの人生
誰かに見つけてもらいたいのかもしれない。

皆本当の私を知らない。
見せるつもりもない。
私はいわゆる、秘密主義なのだから