反省 ページ33
目の前がものすごい光を放ったとき
僕は無我夢中で二人を守るためにアリスを使った。
だから、きっと二人とも大丈夫だよね...？
ツ..ツ..ツ..
規則的になる音を聞いて僕は目が覚めた。
どうやら学園の病室らしい。
無事に僕らは帰ってこれたみたいだ。
よかった。もう帰れないかと思った。
貴方「また、あの生活に戻っちゃうのかと思った。」ﾎﾞｿｯ
もう、あの人たちのところには戻りたくない。
あの人たちだって嫌だったから僕を学園にいれたのに
何で今さら僕を誘拐なんてするんだ。
今さらまた、後継者教育でもしなおすつもりだったのだろうか。
どこまでも自分勝手な人たちだ。
一人の病室で深くため息をついた。
窓からは涼しい夜風が吹いていて
カーテンが揺れる度に月明かりが僕の顔を照らす。
すると、妙に感傷的になってくる。
今回の一件で改めてわかった僕の能力の低さ
大人相手だったとはいえ、一人ではとても歯が立たなかった。
貴方「蜜柑とスミレも巻き込んじゃって申し訳ないな」
今でも誘拐を思い出すと小刻みに震えていた。
何がそんなに怖かったのだろうか...？
あの人たちのところにもどること？
学園の敵になるかも知れなかったこと？
そんななか死を選ぼうとしたこと？
いや違う。何よりも大切な人を守れないのが怖かった。
無力になった二人を前にして、自分も操られるなんて...
つーっと頬を涙が伝う。
一人の病室で静かに泣いていた。
泣いても仕方がないとわかっていても、自分の無力さに嫌気がさしてきて
溢れ出した感情が止まることはなかった。
「大丈夫...大丈夫だから、」
後ろからぎゅっと優しく僕を包む男
初校長だった。いつから見られていたのだろうか。
彼の顔を見ると、彼まで泣きそうな顔をしている。
貴方「何でそんなかおするの？」
初校長「君が笑わないから...
あのね。君が何を考えてそこまで泣いてるかはわからないけど
僕は君が無事に帰ってきてくれてすごく嬉しいんだ。
君はよくやったよ
君一人なら逃げれただろうに置いていかなかったんだから
最後までみんなを守ろうとしたんでしょ
ほんと君らしいね」
貴方「僕のせいでなったんだから当たり前じゃん」
初校長「そんなことない！
勇気があったからできたんだよ
君のおかげでみんな怪我なしなんだから
そんなに自分を責めないで？」
ああ。何でこの人は僕が一番ほしい言葉をくれるんだろう。
僕はまた彼の腕のなかで眠りについた
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作者名：チョココロネ♪ | 作成日時：2023年6月18日 9時
