男装少女は秘密主義 (ページ32)

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魔性ページ32

パートナーか...
なんかいい響きだな。

僕の元のパートナーは中等部に２年前に行ってしまってから空席だった。
だから蜜柑が言ったその言葉が、
妙に照れ臭くて,嬉しくて....

今なら何でもできそうな気がする。

フェロモンのアリスで重たい体を無理矢理動かしながら走る。

蜜柑「あ」

僕らを支えてくれていた蜜柑が階段から落ちて
僕らも一緒に転がる。

体が痛いような気もしたけど逃げることに必死でそこまで気にならなかった。
しかし、棗はもうだいぶ弱っているみたいだ。

貴方「大丈夫⁉棗」

棗「A...水玉連れて先に逃げろ
今のあいつなら、弱ったお前でも逃げれる」

棗はもう諦めきったような顔をして言った。
さっきまでの僕もきっとあの顔をしていたのだろう。
だけど、蜜柑のおかげで帰る意味がちゃんとできたから...

僕は、僕ができる最大限をつくす。
それを棗に見ててもらおう。

棗の頬に軽くキスしてニッと笑って見せる。

貴方「体調が良くなるおまじない！」ニッ

棗「.../////いきなりするなよ
バカA/////」

貴方「あーそんなの言っちゃって顔真っ赤だよー」

棗「うるせー////」

蜜柑「//////魔性の男や」ﾎﾞｿｯ

棗にキスするのと同時に治癒のアリスを使っておいた。
恐らくこれで、棗の体調は戻っていくだろう。

僕が万が一失敗しても、棗がその頃には回復しているだろう。

部下「いたぞー！」

相手の攻撃を流しながらアリスを使って攻撃する。
しかし、結界のアリスに阻まれて致命傷には至らない。
二人を守らないと...

部下の一人の手が蜜柑の方へと伸びたとき、僕は相手をねじ伏せようとした。
ほんの一瞬自分の身の安全を考えなかった間に僕は一気に窮地へとたたされた。

玲音「A..こっちにこい」フェロモン

貴方「....っ！...は.い」

棗,蜜柑「A！」

玲音がアリスを使い僕の精神を支配したのだ。
僕は元々フェロモン系には弱い。
だから、本当は戦いを避けるべきだった。
玲音に言われた通り近づき、なにも考えられなくなっていた。

玲音「よし。いい子だな」

玲音はそういって僕の頭を撫でた。
背筋がゾクゾクするほど玲音の手の温度や声色が心地よかった。
僕は完全に堕ちてしまっていたのだ。
それでも何とか理性を戻し、棗の方を見た。

貴方「な..つめ」

棗「てめえ...
汚い手でAにさわるな！」

棗がアリスを使った。
視界がパーっと明るくなり光に包まれる。