男装少女は秘密主義 (ページ30)

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時間稼ぎページ30

僕が強気の態度に出ると玲音は、驚いていた。
かと思うと、うっとりしたような顔をして
すっと頬を撫でる。

玲音「やっぱりほしいな...
そうだ、お前が組織には入れA
そうしたらあとの３人は見逃してやるよ」ﾆｺｯ

何を言っているんだ。
そんな提案に僕がのるとでも思っているのだろうか。
僕は、玲音を睨み付けた。

玲音「それても...両親のところに帰るか？
相当な後継者教育を受けていたみたいだな
今も探されてる。
また、あの場所に戻るのか？」

玲音の一言で体の血がひいていくのがわかった。

両親が僕を探してる？
あの場所に帰る？
また、自分を殺して生きていくのか？

嫌だ...。帰りたくない
今さらあんな場所には...

蜜柑「A..？」

貴方「嫌だ....帰りたくないよ」ﾎﾞｿｯ

棗「おい！しっかりしろ」

ただ帰りたくないという気持ちだけが先走って
他になにも考えられなくなっていく。

落ち着かなきゃいけないのに
僕があわてちゃ駄目なのに

その時、外で車のエンジン音が聞こえた。

父親「ここに本当にAがいるのか？」

貴方「...っ」

懐かしい声が聞こえる。
何年ぶりだろうか、聞きたくなかった
もう両親が着いてしまったのだ。

玲音や部下たちは、対応のためにその場を離れた。

今が逃げるチャンスだ。
残り少ない監視を撒くのなんて簡単だろう。

棗「今のうちに逃げろ
俺が時間を稼ぐから」

貴方「一人でなんてさせないから
蜜柑とスミレで逃げて
僕は、棗と一緒に後から追いかけるから」

四人一気に瞬間移動は、今の体力では無理だが
棗と二人だけなら問題ないだろう。

まず棗が時間を稼いでる間に二人が逃げて
後から僕らが瞬間移動して逃げるという作戦だった。

棗の合図で二人が走った。
追いかけようとするが棗が相手を脅す。

棗「今動いたら、この先にあるダイナマイトに火をつける」

スミレから得た情報をもとに相手を脅した。
その間も僕は、気が気ではなかった。
何としても両親に会わないまま帰りたかったから。

彼らにはここまで育ててもらったことに感謝こそはしているが
それ以上なにも思っていない。
彼らが僕に残していった負の感情は、会っていない間に消えるわけもなく。
ますます強くなろうとしていた。

玲音「お前らなにして...気絶しろ！」声フェロモン

玲音が戻ってきてアリスを使う。
対処できなかった僕は、その声をもろに聞いてしまい強いダメージを受けた。