男装少女は秘密主義 (ページ23)

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手助けページ23

蜜柑side

Aはうちのわがままを聞いて脱走の手助けをしてくれた。
Aは何でこんな会ったばっかりのうちを助けてくれるんやろか..

塀を壊すAの後ろ姿を見ながら思った。
うちらの前にそびえ立っていた塀は、Aだけのちからで一瞬で崩れ落ちた。

蜜柑「さすがAやな！
......A？」

貴方「はぁはぁ....
ちょっと待って..今探すから」

Aは疲れてそうだった。
顔色は悪くて今にも倒れてしまいそうやった。
そんな状態でも、このあとうちらに
襲いかかってきた大人を返り討ちにしてしまうけんすごいと思った。

貴方「.....はぁはぁ。ちょっと疲れちゃったな」

蜜柑「A！ありがとううちを助けてくれて」

何となくやけどAから甘いにおいがする。
これがAのフェロモンのアリスなんやろう。
だんだんとにおいが強くなっていく。
このまま一緒におったらうちもどうにかなってしまいそうや。

その時学園の方から誰かが歩いてくるのが見えた。
警備隊も一緒みたいや

貴方「思ったより来るのが早いな...
蜜柑これからは一人で行って、後の事は僕がどうにかするから
おじいさんは○○ホテルの805号室にいるから」

蜜柑「でも、こんな状態のAをおいてくなんてうち..」

貴方「僕が逃げ損なったって事にしたら蜜柑の脱走は誰にもばれない
大丈夫。僕は、常習犯だから
どうにもならないよ」微笑

うちを安心させるようにAは笑っていった。
そして頭をすっと撫でてくれたあと「行って」と背中を押された。
もう警備隊はすぐそばにいたからうちは近くの物陰に隠れた。

警備隊のなかに混じっていた一人の人物を見てAは
安心しきったような顔をしたあと泣き出してしまった。

うちには弱いところを見せんかったけど
Aも怖かったんやろう。
ごめんなA

うちはAがその人と学園に戻っていくのを見届けてからその場を離れようとした。
その時うちの肩がぽんと叩かれた。

鳴海「帰ろっか蜜柑ちゃん
どうやらAくんが君をかばったみたいだから
上層部からのおとがめは無しみたいだね」

蜜柑「先生..でも、Aが連れてかれてもうた
怪我もいっぱいしてたのに
うちのせいでAを傷つけてしまった」

鳴海先生は何も言わずにうちを抱きしめてくれた。
その日の夜は鳴海先生と一緒に色んな話をしながら眠りについた。
明日また、元気になったAと会えたらいいな。