男装少女は秘密主義 (ページ21)

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脱走ページ21

少し雑音が流れたあと副担の声が聞こえた。

副担「どんな事情があるのかは知りませんが
無効化のアリスというだけでこの状況は
あの子にかわいそうに思えて...」

鳴海「まぁ。あの事件があってから無効化は禁句だからね」

副担「あ、あと綾瀬さんの手紙がまた届いていました。
ご両親も毎日大変ですね」

一瞬ドキッとした。
僕宛の手紙？あの人たちが？
僕の事をなんの躊躇もなく学園に送ったのに？

鳴海「あぁ。その手紙はいつも通り校長預りでお願いしますね」

副担「綾瀬さんも....」ﾌﾞﾂｯ

鳴海が暖炉に手紙をほうり込むと、音声が途切れた。
今まで一回も届かなかった両親の手紙
中に何が書いてあるかなんて分からない。

だけど、知りたい。
どこか淡い期待を抱いていたのかもしれない。

僕が立ち上がるよりも先に蜜柑が立ち上がって職員室に入った。

蜜柑「先生...何でうちの手紙燃やすの？」

鳴海「ごめんね」

蜜柑「嘘つき！
うち信用してたのに先生も敵なん！？
じいちゃんに会わせて！会わせて！」

蜜柑が泣きながら鳴海に訴えかけている間に
僕は、僕宛の手紙をスッとポケットにしまった。

あとでしっかり読もうと思って....
ルカはそれを察してくれたらしい僕に耳打ちした。

ルカ「佐倉のことは任せてAは帰りな」

貴方「ありがとう」

僕は、そのまま職員室を飛び出した。
途中じんちゃんの怒鳴り声が聞こえたけど、それを無視して走った。
こんなチャンス滅多にない、今回のがしたら次はいつになることやら

大丈夫。このまま走れば捲ける。
そう勝ちを確信したとき、誰かが目の前に現れた。

ペルソナ「その手紙をこっちによこせ」

貴方「うるさい。
僕に来た手紙を僕が読んで何が悪い」

ペルソナに敵意むき出しで言い返すと
彼は僕をにらんで何かアリス石を使った。

すると急に眠くなり僕は、その場で眠ってしまった。

手紙...ぼくの..返して

貴方「.......」

そのあとの事なんて覚えてない。
ドアのノックの音が聞こえて、目を覚ますと
自分の部屋のベットで寝ていた。

まだ、しっかりと回らない頭でドアを開けると蛍がいた。

蛍「お願い...蜜柑がおじいさんに会うのを手伝ってあげてほしいの」

袋を手渡され中を見ると、
電気を弾くクリームやら外のお金やらが入っていた。
どうやら本気で脱走を試みているらしい。
僕は、すぐに返事を刷ることができなかった。