男装少女は秘密主義 (ページ20)

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手紙ページ20

貴方「.....」

今日は少し疲れていて
休み時間ずっと窓の外をぼーっと眺めていた。

少し前に思い出した本当のお父さんとお母さんの記憶
それと、僕宛に毎日届いているという義理両親の手紙についてだ。

義理両親に未練なんてないと思っていた。
だけど、僕をあの日までは大切にしてくれたというのは事実で

思い返してみると、
あの二人がおかしかったのは僕を男の子に仕立てた日と
僕がアリスを発動させた日だけだった、

貴方「まるで何かに怯えていたみたいに....」ﾎﾞｿｯ

心読み「なんか読めないけど
めっちゃ真剣に何かを考えてるみたいだねー」

のの子､アンナ「Aくんかっこいい♡」

スミレ「物思いに更けるAもいいわね..♡」

貴方「......移動しよ」

クラスの子達の視線に耐えきれず教室を出ようとしたとき
蜜柑の大きな声が教室に響き渡った。

蜜柑「じいちゃんの手紙が来ないー！」

話によると入学して１週間もたつのに
おじいさんからの手紙が届かないそうだ。

原因を知るべく、蜜柑は音無さんに依頼して占ってもらっていた。
にしても、あのダンスやるなんて蜜柑もなかなかやるな。

音無「佐倉さん
あなたのおじいさんは今学園の門に来ているみたいよ」

学園の門は、学園と外とを繋ぐ唯一の通り道であり
一般生徒はその周辺でさえも基本立ち入り禁止だ。

そのため蛍のメカで外門付近の様子を見ることにした。
そこに写ったのは、調子の悪そうなおじいさん

「孫に会わせろ
孫から手紙が一通も来ない」

そういったことを言っていた。
そんなの普通はありえない。
だけど、蜜柑は例外なのかもしれない

棗「教師がバカ正直にお前みたいな悪目立ちの外との接触許すかよ
この際だから言っとく、この先鳴海がじじいに手紙を渡す日なんてこねぇよ」

棗はそういって教室を立ち去ってしまった。
追いかけようとしたとき、蛍に腕を掴まれ止められた。

蛍「あんたあいつの友達でしょ
あいつのせいでうるさくなったやつ(蜜柑)の面倒見てよね」

貴方「....」

ということで僕は、ルカも巻き添えにして事の終わりまで見届けることにした。
手紙に盗聴機と監視カメラをつけて、いつも通り鳴海に渡す。

蜜柑「じいちゃんに手紙書いたんでよろしくっすー！！」

鳴海「はいはい。わかったっすー」

僕らはそれからメカ越しに手紙の行方を見ていた。