１０２話 ページ6
Noside
松野家にはどんよりとした空気が流れていた。誰も何も言葉を発することは無く、沈黙が続く。
「あーあ、何なんだよ全く。パチスロ行こ」
おそ松の一言すらも虚しく消えていった。居心地が悪くなったおそ松は苦虫を噛み潰したような顔をする。
その時、家に響くチャイム。その場にいた者の意識は全てその音に向いた。
「こんな真っ昼間に誰なの全く…」
「十四松！！」
「あい！」
玄関に向かおうとしたチョロ松に飛びかかったのはツナギ姿になった十四松。そして後ろには同じくツナギ姿になった一松がいた。
「開けたら駄目だ」
「来たらチョロ松兄さんみたいにするよ！」
チョロ松はどうにかしようと藻掻いているがその場から逃げられずにいた。
いつしたのか丁寧に猿轡までしている。
「十四松抑えてて、鍵閉めてくる」
「あい！」
一松が玄関のドアに鍵をかけようとした瞬間、派手な音と共にドアが開いた。衝撃で少し戻るドア。
「相変わらず鍵もかけないのか、松野家は」
その声に六つ子の背筋は凍りついた。聞き覚えのある声であり、誰もが思い出したくもないものだったから。
「……あぁ？確か妹がいたはずだよな、遂に死んだか？」
「どういうことだ、アイツはここにはいない。お前に協力した奴なんか」
「クッ……アッハッハッハ！！まぁだ信じてたのか！？お前らは相変わらずバカだなぁ？！」
六つ子の目の前に立つ男は思いっきり笑い出した。いきなりの行動に唖然とする六つ子。
「なんだっけ…A、だったか？何も関係ねぇよ、ただ名前を使っただけだ。あの頃のお前らは溺愛してたからな
それがどうだ？関わった、だなんて一言ですぐに騙されて！その感じじゃあ俺の言葉を信じたんだろ？実の妹の言葉は信じずに！
家で元気に帰って来ることを願っていた妹をな。笑わせてくれるじゃねぇか！」
「クッソ、遅かった！」
玄関に立ち塞がる男は何かの衝撃で崩れ落ちた。その後ろにいたのはAの親友である夏希。
「てめぇ、何度俺をぶっ壊す気だ！東郷！」
「夏希じゃないか、大きくなったな。で、優しい親戚の俺何をしている？」
「親戚でもなんでもねぇよこの犯罪者。遺産狙いなのは知ってんだ、俺がお前だけを頼るよう仕向けてんのも」
「何を言っているんだ、考えすぎでは無いか？確かに君の母……俺の姉が亡くなったときは悲しかったさ、実の姉の遺志を潰すほどクズでは無い」
「嘘をつくな！」
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yamaneko(プロフ) - この作品大好きです！更新待ってます！ (2022年5月29日 17時) (
レス) @page23 id: 07c8e63397 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - 個人頑張ってください!一気に読んでもう…泣けてくるわ (2020年6月26日 0時) (レス) id: 754c695e6f (このIDを非表示/違反報告)
るるるs - 98話 天ノ弱を歌っているのはGUMIですよ。(少しばかりの訂正文失礼しました) (2020年6月1日 0時) (レス) id: 237a7189ae (このIDを非表示/違反報告)
Rain☆ - あと、この小説に出てくる歌い手さん全員大好きです！！ (2020年5月11日 23時) (レス) id: 3af4d419c0 (このIDを非表示/違反報告)
Rain☆ - 1日で一曲目二曲目三曲目読んじゃいました！！！好きです！こういう深いの大好きなんです。更新頑張ってください！！ (2020年5月11日 23時) (レス) id: 3af4d419c0 (このIDを非表示/違反報告)
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