９７話 ページ1
Aside
その日から私は家を出ることを止めた。もう外を見たくなかった。
「なぁ、アイス買ってくるけど希望は？」
『んー、スイカバー』
「おっけ。じゃ、行ってくるわ」
あれからも夏希は変わらず接してくれていた。何であんなことがあっても傍にいてくれるのかは正直分からないけど、夏希がいるのは私も気が楽だしありがたいから何も言わない。
『最近、歌も投稿してないや……』
何気なくパソコンを見て呟く。青い鳥で呟くこともほぼ無い。一応、呟いておこうとスマホに手を伸ばす。
ーーーー
最近浮上出来なくてすみません。投稿も出来なくてすみません。
嫌なことが立て続けに起こり、少しばかり休ませて頂きました。
報告が後になってしまったこと、長らく皆さんを待たせてしまったこと。申し訳ありませんでした。
今しばらく待ってて貰えれば幸いです。
ーーーー
独特な音と共に私の呟きがネットの海に流される。一つ、二つとハートで埋まっていく。フォロワーはかなり減っていた。
所詮こんなもんか、と呆れ半分。まだ待っててくれたのかと嬉しさ半分。そして、
『トト子ちゃんも、見てるんだよね』
親友だった子の名前を言いながらスマホの画面をなぞる。
あの頃から夏希はトト子ちゃんを嫌っていた。元々人嫌いだった夏希が心を開きかけただけにダメージもあったようで、かなり荒れていた。
………
《夏希！何でまたそんなボロボロになってるの！ほら、保健室行くよ！》
〈うるせぇ、お前には関係ねぇだろうが！〉
《関係あるよ！良いから早く！》
〈おい！痛えから腕掴むな！〉
………
『今思い出しても懐かしいや』
喧嘩ばかりしてたあの頃の夏希。そういえば何がキッカケで喧嘩止めたんだろう？
「帰ったぞー。で、何やってんのお前」
『いや、昔のこと思い出してたんだけどさ。何で夏希はいきなり喧嘩止めたの？』
夏希は「はぁ？」と心底呆れたような目線を向けたあと、ため息を漏らした。
「強いて言うなら、半分は嫌いな奴から解放されたからだな」
『もう半分は？』
「……贖罪」
『誰に対して？ってか何危ないことしてたのさ』
「若気の至りってヤツだよ。スイカバー食うぞ？」
『私のよこせや』
私はスイカバーを、夏希はハーゲンダッツを食べる。自分だけ高いやつ食べてるしコノヤロウ。
「で？呟き見たけど落ちついたわけ？」
『ノーコメント。何もしなさすぎてキツくなってきた』
「そういうときもあるわな」
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yamaneko(プロフ) - この作品大好きです！更新待ってます！ (2022年5月29日 17時) (
レス) @page23 id: 07c8e63397 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - 個人頑張ってください!一気に読んでもう…泣けてくるわ (2020年6月26日 0時) (レス) id: 754c695e6f (このIDを非表示/違反報告)
るるるs - 98話 天ノ弱を歌っているのはGUMIですよ。(少しばかりの訂正文失礼しました) (2020年6月1日 0時) (レス) id: 237a7189ae (このIDを非表示/違反報告)
Rain☆ - あと、この小説に出てくる歌い手さん全員大好きです！！ (2020年5月11日 23時) (レス) id: 3af4d419c0 (このIDを非表示/違反報告)
Rain☆ - 1日で一曲目二曲目三曲目読んじゃいました！！！好きです！こういう深いの大好きなんです。更新頑張ってください！！ (2020年5月11日 23時) (レス) id: 3af4d419c0 (このIDを非表示/違反報告)
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