３６話 ページ38
ト「一、松兄、さん……」
一「アルバム……。俺も見て良い？」
返事する前に僕の手からヒョイッとアルバムを取ると、机の上に置いた。大分置いてたからか置いたと同時に少し埃が舞う。
それからしばらく兄さんと見ていた。幼稚園の６人での写真。公園で鬼ごっこしている写真。いろんな写真があった。なのに、
ト「Aの写真が無い？」
一「見た限り家族写真だけか。そういや昔は放置され気味だったな」
そうだったかな。思い出そうとしたけど、頭に浮かぶのはAが初めて泣いたあの日のこと。
思わず顔をしかめた時、「ねぇ……」と呼ばれた。横を見ると、僕の目をジッと見てくる一松兄さん。
一「トド松にとって、兄妹って何？」
ト「……考えたこと無かったなぁ。僕には常に５人の兄さんと１人の妹がいたし。今はAのこと、妹って呼んで良いのか分からないけどさ。
もう僕分かんないや。おそ松兄さんとA、どっちを信じれば良いのか分からない。でもAに謝りたいし仲直りしたい。僕、兄ちゃん失格だなぁ」
乾いた笑みが零れた。この空気から逃げようとしたのかもしれない。それでも一松兄さんは僕の方をじっと見たあと、
一「……信じたい方信じれば？どっちが正しいかなんて、本当のことが分からない今はどっちも善で悪。違いなんて後悔するかしないかでしょ。
……俺はAの方に着くけどね」
ト「一松兄さんはおそ松兄さんが悪だと思うの？」
一「俺はそう思ってるよ。仮にAが悪くても、俺らはやりすぎた。それだけは変わらない過去だ」
信じたい方を信じろ、か。一松兄さんがAの味方ってことは多分十四松兄さんもそっちの味方。そう考えれば辻褄が合う。
最近母さんに呼ばれたりしたこと、２人だけスマホを買って貰ったこと。兄さんたちはゴネてたけど、
母「考えなさい？一松はフラフラ猫に会いに行くし、十四松はどこ行ってるのかすら分からない時あるのよ？
だから２人とも持っとけばＧＰＳで一緒に帰れるでしょ？もしもの時はトド松、よろしくね」
と言われて納得していた。それからは２人一緒に帰ってきてたし、次第にそれが普通だったし。
ト「一松兄さん、Aのライン知ってる？」
一「……こっちに来る？」
ト「分からない。頭の中グッチャグチャ。だから考えたいんだ」
一「ん、聞いとく」
その時、時計が時間を知らせた。見れば午前３時。……え？
一「ヒヒッ、おやすみ」
ト「ちょ、１人にしないでぇ！」
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ゆき(プロフ) - 続きがとても気になるので,友達申請させていただきました！だ (2019年5月7日 19時) (
レス) id: 741d7c394d (このIDを非表示/違反報告)
ムギ(プロフ) - 続きが気になるので、友達申請させて頂きました！ (2019年5月1日 4時) (レス) id: 40229cd54e (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - この小説面白〜いです！友達申請させてもらってもいいですか(^^) (2019年4月8日 12時) (レス) id: 7e2f4c64ce (このIDを非表示/違反報告)
七香(プロフ) - 続きが気になるので友達申請させていただきます！ (2019年4月1日 13時) (レス) id: 35bfb76efc (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - すごく続きが気になります！なので友達申請させて頂きました！ (2019年3月19日 23時) (レス) id: b0e1119457 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三鈴 | 作成日時：2017年8月25日 18時
