９話 ページ11
一松side
いつから日常になっていたか、俺はもう忘れた。
目の前の妹はいつも笑っていた。腕にアザができても、体を殴られても、髪をハサミで切られても。最後には笑う。
昔は兄弟みんなでいじめた。その余裕そうな笑顔を崩したかった。
今では、自分がやっていた行動に吐き気がする。だから、用事があると言って現実に目を向けない。俺は相当なクズだ。
『ねぇ、教える必要ある？それは私のもので兄さんたちのものじゃない』
初めて、Aが口答えをした。いつも謝るばかりのAが。
お「そんな生意気なこと言って良いの？」
『こんなことで崩れる仲なんだよね。私たち。私が嫌いなら関わらないでよ』
目に涙を溜めながら言う俺らの妹。初めて見た。多分、兄さんも弟も俺も。
Aは、たじろいだトド松から通帳を奪い取って、２階に駆け上がって行った。
チ「はぁ...あいつ何様？」
ト「あーあ、せっかく奪おうと思ったのにな」
お「大丈夫だろ。あいつは俺らの妹なんだから」
妹って、言葉って、そんな軽い言葉だっけ。俺にはAを縛る鎖にしか聞こえない。
４人はリビングに行ってしまった。残ったのは俺と十四松。
十「...一松兄さん」
急に話しかけてきた。いつも開きっぱなしの口はキュッと結ばれている。
一「...何？」
十「僕さ、どうすれば良いのか分からない。兄さんやトド松は間違ってると思う。でもそれを言えない自分が悔しいよ！」
十四松の目から涙がボロボロ溢れては、廊下のフローリングに落ちていく。
俺と同じ。何も出来ないクズでバカな自分が憎くて、悔しくて。兄さんに逆らえないのが嫌になって。
一「...俺らがやれることは...あると思う。それを見つけるのが先」
十「Aを、助け、られる、かなぁ！？」
２階からもう一つの泣き声が聞こえる。Aだ。声を押し殺しながら泣いている。
十「兄さん、一緒に２階に行きマッスル！」
一「！？」
十「僕たちが味方だって伝えなきゃ！」
さっきの涙はどこへやら。ニパッと笑う十四松。目は少し赤くなっている。
でも、俺はまだ弱虫だから。
一「......明日行こう。今行ったら兄さんたちにバレる」
十「！ 分かっタイムリー！」
「顔洗ってくる！」と言って洗面所に行った十四松の背中を見送る。
弱い兄さんでごめん。ずっとこんな気持ちだったのか？A
気づけなくて、止められなくて、ごめん。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
口調迷子になりましたm(_ _)m
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ゆき(プロフ) - 続きがとても気になるので,友達申請させていただきました！だ (2019年5月7日 19時) (
レス) id: 741d7c394d (このIDを非表示/違反報告)
ムギ(プロフ) - 続きが気になるので、友達申請させて頂きました！ (2019年5月1日 4時) (レス) id: 40229cd54e (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - この小説面白〜いです！友達申請させてもらってもいいですか(^^) (2019年4月8日 12時) (レス) id: 7e2f4c64ce (このIDを非表示/違反報告)
七香(プロフ) - 続きが気になるので友達申請させていただきます！ (2019年4月1日 13時) (レス) id: 35bfb76efc (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - すごく続きが気になります！なので友達申請させて頂きました！ (2019年3月19日 23時) (レス) id: b0e1119457 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三鈴 | 作成日時：2017年8月25日 18時
